2025年7-8月号
このコーナーでは、地域福祉のキーパーソンや実践者・当事者らのエピソード・思いを紹介していきます。

感謝と寛容
大卒後、金融機関に勤めていましたが、深く人と関わる仕事がしたいと、縁があって29歳のときに地元の特別養護老人ホームで働くこととなりました。
最初は知識もなく介護の仕事を始めましたが、勉強を重ね社会福祉士などの福祉資格を取りました。その後、関宮町(現・養父市)の在宅介護支援センターでの勤務中に第1回目の介護支援専門員(ケアマネジャー)試験に合格。現在は、社会福祉法人関寿会「はちぶせの里」業務執行理事・統括管理者を務めています。併せて県社協の介護支援専門員研修内容検討委員会副委員長、研修講師を務め、後進の育成にも携わっています。
私が所属する関寿会では、高齢者福祉のサービス提供に留まらず、地域の方との交流も展開しています。夏まつりには、「地元の方に施設を見てほしい」との思いでさまざまな催しを用意したところ、普段は利用しない子どもも含め500人もの参加がありました。
養父市では今後も過疎化、少子・高齢化による人口減少が見込まれ、地域住民がお互いに助け合うことが一層求められます。地域の維持が困難になるかもしれないという危機の中、私たちの法人も地域の将来を考える必要があることから、地域住民の集いの場である「TSUDOIBA(つどいば)元町家」を令和元年に新たに開設しました。今では認知症カフェ、子育てサークルなどのイベントを地域の方と共に企画・実施することで世代間交流も生まれています。
今後も、地域の方が集まる場の提供などを通じて高齢者福祉に留まらず地域づくりに参画していきたいと考えています。

「完全自立」という言葉があります。しかし、24時間365日、自己完結している人はおらず、誰もが誰かと支え合う「協同的自立(お互い様)」の関係の中で生活しています。
私たちと施設利用者である高齢者との関係でも、単に支援する・支援を受けるという関係ではなく、高齢者がいないと私たちは仕事ができないと考えています。福祉とは、この協同的自立を支える仕事であり、はちぶせの里では、利用者も一緒に食事を用意することも日常の光景です。利用者や地域と「共に楽しみ、喜び、共に生きる施設づくり」を進め、協同的自立を実現していきます。
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