2025年3-4月号
このコーナーでは、地域福祉のキーパーソンや実践者・当事者らのエピソード・思いを紹介していきます。
愛情・温厚・謙虚
海外で働きたいと考えた私は、町にあった日本語教室に通いました。
令和3年に技能実習生として来日しましたが、ミャンマーは暑い国なので、降り立った日本の冬がとても寒く感じたことを思い出します。その後、技能実習生として実務経験を積み、介護福祉士の受験資格を得ました。令和6年に介護福祉士の試験に合格し、在留資格「介護」で就労を続けています。
来日してからの目標が介護福祉士の試験に合格することでした。特に力を入れて勉強を始めたのは、ある利用者さんが亡くなったことがきっかけです。別れが悲しくて涙が止まらなかったのですが、その方にできた支援を振り返ろうとしてもあまり記憶に残っておらず後悔しました。利用者さんを深く理解して介護をする大切さに気づきました。
それから仕事が休みの日は、朝5時に起き、頭が冴える午前中に勉強しました。仕事を続けながらの受験を諦めかけたこともありましたが、モチベーションを保てたのは、私の中に「利用者さんのことをもっと知りたい」という気持ちがあったからです。
また、私が所属する神戸福生会では、週1日、勉強会を開いてくれるなどサポートも手厚く、周りの方に生活面でも支えてもらいました。結果として、介護福祉士の試験に合格した時は本当に嬉しかったです。
勉強を続けるために「自分のしたいこと」と「しなければならないこと」のバランスを意識しました。時には映画を見たり、友達と遊んだり、家族と連絡をとるなど楽しむ時間を持ち、試験を控える中でも前向きに過ごしました。
今後、私のように技能実習生として来日して介護福祉士の試験に挑戦する人は増えると思います。日本の福祉制度など理解が難しいものがありますが、専門知識を身につけてキャリアアップすることは、自身を成長させてくれます。そのためには、自分のやりたいことをはっきりとさせ、諦めないことが大切だと思います。
「その人らしさ」を支援する介護の仕事に、私はとてもやりがいを感じています。私自身、介護福祉士としてしっかりと仕事ができていると認められるよう、今後も仕事とキャリアアップに向けた勉強に力を入れていきたいです。
※1:在留資格「介護」
介護福祉士の資格を持つ外国人が介護の仕事に従事するための在留資格(上限なく更新可能・家族帯同も認められている)