セルフヘルプグループのリアル−吃音親子のつどい「ほおーっと」

 県内に拠点を置いて活動する自助グループを紹介します

吃音親子のつどい「ほおーっと」

 言葉の出だしに詰まったり、最初の音を繰り返したりする吃音(きつおん)に悩む人やその家族のための自助グループ神戸スタタリングプロジェクト。平成14年から、吃音親子のつどい「ほおーっと」がスタートしました。つどいの責任者である桑田省吾さんにお話を伺いました。

つどいのはじまりは幼児から大人まで、
みんなで集まってアイスブレイク
吃音の不安や悩みについて、当事者、保護者、
専門家の立場を超えて話し合える場があります

Q1.
 グループのたちあげのきっかけは

A.
 言語障害や難聴のこどもの指導や相談を受ける仕事をしていましたが、皆に共通していたのは吃音を治したいというニーズでした。吃音は必ず治るものではありませんが、同じ悩みを持つ当事者や保護者同士の交流の場があれば、吃音を受けとめやすくなるのではないかという思いから、「ほおーっと」を立ち上げました。そこは、支援する側とされる側といった関係性ではなく、参加者が同じ土俵に立ち、自分の思いや情報を交換できる場となっています。

Q2.
 現在はどのような活動に力を入れていますか

A.
 「ほおーっと」では、月1回ミーティングを行い、吃音の不安や悩みについて話せる場を作っています。吃音の相談に来られても、そこには不登校やひきこもり、神経症や発達障害などの要素が含まれていることもあります。参加者の中には、学校の先生や言語聴覚士などの専門家もいるので、当事者や保護者からの不安や悩みに対し、専門家も含めてみんなで意見を出し合い、立場を越えて交流しています。
 また、「合同レクリエーション」、「親子で手しごと」など、話さなくても参加ができる体験型のイベントも行ない、“ことば”だけではない豊かなコミュニケーションがあることを、身をもって体験してもらうことができます。

Q3.
 社会に望むことや目標は

A.
 私たちの周囲には「このままでは将来大変ですよ。訓練を受けた方がいいですよ」といった当事者や保護者が追い詰められるような情報があふれています。しかしながら、私たちは出会えた親子に「そのままの個性でいい」と伝えています。吃音について理解してもらうためにも、当事者同士という枠を超えて、さまざまな方と交流を行い、吃音についてもっと多くの方に知ってもらいたいと考えています。
 そして、なによりも「ほおーっと」のような当事者が集える場を継続することが、当事者や家族が「そのままの個性でいい」と思えるような社会になるための一助になればと思います。

グループの概要

名称
吃音親子のつどい「ほおーっと」
活動日
毎月1回 日曜日午前中
活動場所
こうべ市民福祉交流センター
プレラ西宮内男女共同参画センター
連絡先
bodyfull.kuwasho69@gmail.com

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