2022年5-6月号
県内に拠点を置いて活動する自助グループを紹介します。
双子や三つ子のような「多胎児」の親が、親同士だからこそ共感のできる場をつくる「芦屋ツインズ」。代表でご自身も双子の親である前田さんと、前代表で同じく双子の親である小松原さんにお話しを伺いました。
Q1.
グループの立ち上げやご自身が参加したきっかけは
A.
芦屋ツインズは、平成13年10月に多胎児の親である先輩ママたちが中心となって活動を始めた団体です。先輩ママが職場復帰をしたり、子どもが保育園に入るなど、状況に応じてリーダーが受け継がれ、今は私がリーダーをしています。
私自身の参加のきっかけは、市が実施する「新生児訪問」の時に、「多胎児の親の集まりがあるよ」と担当の方に教えてもらったことでした。当時私は夫と一緒に参加しましたが、双子の親として同じ子育ての悩みを持つ先輩ママとの会話で気持ちが楽になり、「今後も参加したい」と思いました。私も小松原さんも県外に実家があり、気軽に悩みを打ち明けられる場も無いまま不安でした。そのような折に出会ったのが、芦屋ツインズでした。
Q2.
現在どのような活動に力を入れていますか
A.
一つは、「定例のつどい」の開催です。コロナ禍で保健福祉センターが閉館した時期にはつどいを休止しましたが、開館されて以降は再開して現在に至ります。感染予防の面や子どもたちへの目配りなど、保健福祉センターの職員の方が支えてくださるおかげで、つどいでは安心して親同士で話ができます。双子の出生率が増加しているといわれる今の時代だからこそ、「一人が泣けばもう一人も泣いてしまう」「二人の子を見ながらの公園デビューが不安」という悩みや、「この商業施設は双子用の大きなベビーカーでも出掛けられるよ」などの情報を、多胎児の親同士で共有していきたいです。
もう一つは、市内の他の自主活動グループと一緒に企画・実施するイベントです。例えば、クリスマスツリーの工作会や離乳食相談会などを合同で行いましたが、子どもが喜び、親には参考となるイベントができるよう、みんなで楽しんで企画しています。
Q3.
社会に望むことやグループの目標は何ですか
A.
多胎育児への支援が今よりも充実することです。複数の子どもを同時に見る大変さから、多胎児の親は外出を躊躇して孤立しやすい面があります。自治体や福祉関係者の方に、多胎育児の大変さを理解してもらえたらと思います。
振り返ると、かつて私も小松原さんも、はじめてのつどいに気軽に参加できたからこそ先輩ママたちと出会い、不安も軽くなりました。今後も芦屋ツインズを多胎児の親が気兼ねなく立ち寄れる場にして、新しい仲間を歓迎していきたいです。