キラリ★社会福祉法人 – 洲本市社会福祉法人連絡協議会(ほっとかへんネット洲本)

 暮らしを支える地域公益活動を紹介します。

実務担当者会では、グループディスカッションで
活発な協議が行われます

地域とのつながりを目指した福祉学習の取り組み

 「洲本市社会福祉法人連絡協議会(以下、「ほっとかへんネット洲本」)」は、市内にある全ての社会福祉法人(11法人)が参画し、令和3年3月に設立されました。
 今回は、将来の福祉を担う人材を育成する「福祉学習」の取り組みについて紹介します。

5年、10年後の将来を見据え、福祉人材を育てる

 令和3年から活動を開始したほっとかへんネット洲本では、法人同士の顔の見える関係づくりを進めてきました。令和4年度からは、各施設の現場職員が集まる「実務担当者会」を設置し、地域生活課題の洗い出しを始めました。
 会議では、「店が減少して、交通手段も少なくなってきている」「若者が島から出て行く」など、人口減少の影響による厳しい現状が共有されました。島内には大学や専門学校が少なく、高校卒業とともに島を出てしまうケースも多く見られます。地域生活を支える各法人にとっても、福祉施設で働く人材確保は重要な経営課題です。
 そんな中、令和5年3月に実施した実務担当者会の事前アンケートで、「5年、10年後、将来の地域福祉を担う人材を確保するため、福祉の啓発活動や魅力を伝える取り組みが必要ではないか」との意見が寄せられました。
 事務局を担う市社協では、長年小学校や中学校で、福祉について学ぶ授業を行っており、学校とのつながりがあります。このため、市社協がコーディネートをし、福祉施設の職員が専門性を生かして子どもたちに福祉の魅力を直接伝える、「福祉学習」に、ほっとかへんネットとして取り組むことにしました。

地域の小学校で「福祉学習」を実施

 ほっとかへんネット洲本が行う第1回目の「福祉学習」は、小学4年生を対象に車いす体験を実施しました。
 体験をした子どもたちからは、「車いすに乗る人の不安や怖さなど、気持ちが少し分かった」などの感想が寄せられました。
 担当した職員は、「子どもたちとつながるきっかけとなった。今後も交流を深めていきたい」と話します。子どもたちに「福祉の魅力」を伝えることは、職員が自らの実践を振り返る貴重な機会にもなりました。
  また、学校の近隣施設の職員が「福祉学習」を担当することで、学校の先生からも、「地域の施設の職員さんと知り合えてよかった」と身近に感じてもらうことができました。
 今後は施設職員が小学校に出向くだけではなく、子どもたちが施設内のイベントに参加するなど、地域での双方向の交流に広げていくことが目標です。
 その他、ほっとかへんネット洲本では、災害時に地域の安心拠点としての社会福祉施設の役割を発揮するために、DWATの登録も進めており、具体的な研修に取り組む予定です。
 これからも地域とのつながりを大切にしながら活動をすすめていくほっとかへんネット洲本の取り組みに注目です。

小学4年生を対象に、車いす体験を実施。
身近な地域での交流の場にもなりました

ほっとかへんネット洲本

事務局:洲本市社会福祉協議会

TEL:0799-26-0022

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