セルフヘルプグループのリアル – たつの市手をつなぐ育成会

 県内に拠点を置いて活動する自助グループを紹介します。

たつの市手をつなぐ育成会

 たつの市の知的障害・発達障害の子どもを持つ親の会「たつの市手をつなぐ育成会」。行政や教育機関との連携を図りながら、親同士の交流に力を入れています。会長の矢野一隆さんにお話を伺いました。

「よさこい交流」は、親にとって情報交換の場にもなります
手袋をはめた状態でお札を数え、手先の動きにくい感覚を体験する様子。「擬似体験」では、手先の動かしにくさやコミュニケーションのもどかしさなどを体験します

Q1.
 グループ発足のきっかけは

A.
 手をつなぐ育成会は、昭和27年に、知的障害の子どもを持つ3人のお母さんが、障害のある子の幸せを願い立ち上げました。県組織も昭和31年に設立され、今では県内全ての市町で組織化されています。
 たつの市では、昭和36年に行政からの呼びかけに応じる形で発足しました。事務局を行政が担っていることもあり、行政はもちろん学校との連携も取りやすいです。

Q2.
 現在どのような活動に力を入れていますか

A.
 保護者が4~5人ずつのグループに分かれて自由におしゃべりをする「茶話会」の場を大切にしています。愚痴をいっぱい言ってもいいし、我が子のおもしろエピソードを話してもいい。あえてテーマを決めず、気兼ねなく話をしてもらうことで、思わず本音が出たり、気持ちの整理ができます。会員ではない保護者や学校関係者にも参加してもらい、つながりの輪が広がっています。
 また、子どもから大人まで皆が気軽に参加できる「よさこい交流」を毎月行っています。その他にさまざまなジャンルの曲を練習し、元気に楽しく踊ります。年2回程度、レクリエーションやイベントに参加しています。

Q3.
 社会に望むことや目標は何ですか

A.
 目の不自由な人には白い杖、脚の不自由な人には車いす、それぞれに支援ツールがありますが、知的障害を持つ人が社会の中で安心して暮らすためには、「障害に理解のある人」が増えることが必要です。
 この世界には、障害を持つ人、これから障害を持つかもしれない人、この2通りしかありません。知的障害を持つ人が身近にいることに気付き、他人事ではないと感じてもらうきっかけになればと、育成会の会員や行政、市民有志で、啓発グループ「ぴーす&ピース」を結成し、自治会や学校で「知的・発達障害擬似体験」を行っています。
 これからも、何でも気軽に相談してもらえる「社会資源」になれるよう、育成会の活動を続けていきたいです。

グループの概要

名称
たつの市手をつなぐ育成会
よさこい交流
月1回 第2日曜日 10:00~11:00
新宮スポーツセンター(Zoom配信あり)
茶話会
年2~3回 平日午前
たつの市福祉会館
Facebook
https://www.facebook.com/Tatsunoikusei/ne.jp
HP
公益財団法人兵庫県手をつなぐ育成会
http://www.tsunaguiku.sakura.ne.jp/index.html

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