キラリ★社会福祉法人 – 丹波篠山市社会福祉法人連絡協議会(ほっとかへんネット丹波ささやま)

 暮らしを支える地域公益活動を紹介します。

社会福祉法人が社会的孤立の受け皿に“法人の資源を生かした参加支援の取り組み”

 平成28年2月に設立された「丹波篠山市社会福祉法人連絡協議会(以下、ほっとかへんネット)」は、市内11法人が参画して活動しています。法人がもつ社会資源を活用し、社会的孤立を防ぐ活動と、住民とほっとかへんネットをつなげる取り組みについて紹介します。

地域住民主体の「地区福祉会議」でのワークショップの様子。ほっとかへんネットからも参加しています

法人と社協の連携で子ども食堂や若者の社会参加をサポート

 ほっとかへんネットでは、子ども・若者を地域で支えるために何かできないかを考え、市社協と連携して、子ども食堂「ささっこ食堂」への送迎や、ひきこもりや不登校の方の就労訓練の場の提供などの事業を実施しています。
 市社協で実施する「ささっこ食堂」では、家庭の都合により家にひとりで居ることが多い子どもを対象に、夏休みなどに、ボランティアが宿題をみたり食事の提供をしています。今年度も市内から15名の子どもが集まり、子どもたちの送迎をほっとかへんネットの法人がサポートし、今まで参加が難しかった子どもたちも安心して参加できるようになりました。
 また、人と話しづらい、外出しづらいなどの悩みを抱えている方の就労機会の提供も行っています。
 市社協が月1回開催する「つどい場」では就労機会の募集を行っており、そこにほっとかへんネットの法人が施設内の草刈りやチラシのポスティング、資料印刷やフードバンクの食材仕分けなどの作業を依頼しています。
 実際に当事者と草刈り作業をした高齢者施設の職員からは、「外での力仕事は、外出の機会が少なかった方にとって体力的につらかったかもしれない。当事者の状況や話を聞きながら、施設の利用者さんと接してもらえるような仕事も依頼したい」といった声もありました。福祉的視点を持つ職員がひきこもりの当事者と接することで、社会参加の手助けになればと考えています。

フードバンクでボランティアと食材の分類作業をする様子

住民主体の地区福祉会議に法人が参画

 ほっとかへんネットは、設立当初から地域住民も含めた関係者同士の顔の見える関係作りに力をいれています。その方策の一つが、地元の地区福祉会議への参画です。
 市内19地区の地区福祉会議は、自治会長会、まちづくり協議会、民生委員児童委員、地区福祉委員などの住民が中心となり、地域課題の共有・解決を目的に設置されています。
 法人職員は「法人単体では、地域に入ることが難しいが、ほっとかへんネットとしてであれば、地区主体の会議に役割をもって参画でき、出てきた課題を解決するための協議ができる」と話します。
 今後、地区福祉会議であげられる住民の生の声に基づいて、法人の専門性や社会資源を生かし、多様な実践や事業の開発につなげていくほっとかへんネットの活動に期待が寄せられています。

丹波篠山つながろうフェスタ2022にほっとかへんネットとして出展し、様々な関係団体ともつながりました

ほっとかへんネット丹波ささやま

事務局:丹波篠山市社会福祉協議会

TEL:0795−90−1112(代)

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