キラリ★社会福祉法人 – 新温泉町社会福祉法人連絡協議会(ほっとかへんネット新温泉)

 暮らしを支える地域公益活動を紹介します。

特養での障害者の短期入所受け入れに向けた取り組み

 平成31年3月に設立した「新温泉町社会福祉法人連絡協議会(以下、ほっとかへんネット)」は町内の高齢分野の法人と社協の4法人が参画して活動しています。
 今回は、障害者が抱える生活課題の解決に向けた取り組みを紹介します。

新温泉町における障害福祉サービスの現状

 新温泉町には約1,100名の障害を持つ方が暮らしていますが、町内で利用できる障害福祉サービスは、日中活動と訪問系サービスのみです。その他のサービスを住民が利用するには近隣市町へ送迎する必要があり、サービスの充実が求められています。
 特に障害者と生活を共にする家族が、介護から一時的に離れて休息を取る時などに、障害者が安心して利用できる短期入所が町内にあればという声が、住民から寄せられていました。短期入所を利用するには、送迎に片道1時間以上かかる町外に行く必要があるからです。
 町役場でも、町内に短期入所がない状況を大きな課題と感じており、以前より特別養護老人ホームでの障害者の短期入所の受け入れに向けて模索していました。しかし法人単独で受け入れ準備を行うのは難しく、時間を要していました。
 このような状況の中、平成30年度、ほっとかへんネットが設立され、法人同士が連携しやすくなったことを契機に、令和2年度の、ほっとかへんネットの会議において、町内の障害者の生活課題が共有されました。

町全体の福祉の充実に向けたほっとかへんネットの取り組み

 ほっとかへんネットでは、まずは障害を持つ方々の生活実態を知ることから始めようと、同年11月、町内の障害福祉サービス事業所5ヶ所を全てを訪問する見学会を実施しました。高齢者施設の施設長や相談員など7名が参加し、利用者や職員の生の声を聞く貴重な機会となりました。
 実現に向けた大きな課題が「施設の体制構築と職員の理解の浸透」です。ある特別養護老人ホームでは、夜間帯は1フロアを職員一人で利用者へ対応しています。障害のある方が落ち着かない状態になった時、一人で対応できるのか漠然とした不安を感じる職員も多くいます。今後は、障害者の短期入所を行う町外の施設への視察や、障害者の特性を理解するための職員教育を通して、必要な体制整備や障害者への理解を深める予定です。
 ほっとかへんネットの堀本章治代表は「新温泉町の障害福祉サービスはこれからです。障害者を知ることから始めていき、町全体の福祉を更に充実させたい」と話しています。
 住民の困りごとに向き合い、障害者が抱える生活課題の解決に向けて連携して取り組む、ほっとかへんネットの活動に期待です。

見学会では利用者の日常に触れることで障害福祉サービスの重要性を実感
法人同士が知識を出し合いながら活動を展開していきます

ほっとかへんネット新温泉

事務局:新温泉町社会福祉協議会

TEL:0796-92-1866

2023年1-2月号TOP