キラリ★社会福祉法人 – 相生市社会福祉法人連絡協議会(ほっとかへんネット相生)

 暮らしを支える地域公益活動を紹介します。

相生市社会福祉法人連絡協議会(ほっとかへんネット相生)

研修事業を通じて、コロナ禍で困窮する人の就労を応援

 令和2年11月に設立した相生市社会福祉法人連絡協議会(以下、ほっとかへんネット)には、現在、市内8法人が参画しています。今回は新型コロナウイルスの影響で生活に困窮する世帯への支援として取り組んだ「介護職員初任者研修」(以下、研修)を紹介します。

個別訪問をきっかけに始まった活動

 コロナ禍で困窮する世帯への支援として令和2年3月に始まった生活福祉資金特例貸付。令和2年度、市社協では前年度の約80倍となる約250件の貸付につなげました。
 これを受け、社協は緊急小口資金の利用世帯のうち、孤立が特に懸念されるという観点から未成年がいる世帯を個別に訪問調査し、ひきこもりや水光熱費の滞納などに悩む実態を知りました。調査を通じて、生活再建には貸付による支援と就労支援を一体で進める必要性を実感したことから、福祉の仕事に興味のある人を応援しようと、介護の資格が取得できる研修の開催を決定しました。
 研修の実施に向けて、社協は、ほっとかへんネットに参画する法人に研修講師を依頼。法人としても、職員の資質向上と将来的な福祉人材の確保につながる可能性から研修に協力する動きが広がりました。また、保育関連の法人でも、子育て世代にコロナ禍が与えた経済的な影響を感じており、研修の周知に全面協力するなど、種別を問わず全法人が研修の準備を進めました。

地域住民やほっとかへんネットの新たなつながり

 研修は昨年9月から12月にかけて全14回開催。新型コロナの影響で減収した方の受講料を減免する仕組みも取り入れて21名が受講しました。研修では、回数を重ねるごとに受講者同士のつながりも深まり、一緒に研修の課題に取り組み、励まし合いながら修了日を迎えました。

10代から70代と幅広い世代の受講者が声を掛け合いながら取り組みました
法人職員たちは、研修での教え方について
打ち合わせなどの準備を重ねて、講師を務めました

 受講者からは「講師の話がリアルでイメージしやすかった」「介護に対する印象が変わった」などの感想が寄せられ、法人職員は「講師を一緒に務めた縁で法人間の『顔の見える関係性』ができた」と話します。
 研修後、生活福祉資金を利用していた人の介護施設への就職が決まるなど、ほっとかへんネットの取り組みは、困窮した人の就労支援となり、福祉人材の確保にもつなげることができました。
 ほっとかへんネットとしては、困窮者世帯への就労支援を今後も継続しようと考えています。研修の実施で生まれたつながりを基盤に、法人職員が一緒になって地域の困りごとを抱える世帯を見守っていくような活動の展開が期待されます。

ほっとかへんネット相生

事務局:
社会福祉法人
相生市社会福祉協議会

TEL:
0791−23−2666

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