2021年9-10月号
暮らしを支える地域公益活動を紹介します。
昨年8月に設立された「上郡町社会福祉法人連絡協議会(以下、ほっとかへんネット)」には、町内の7法人が参画しています。コロナ禍で誕生したほっとかへんネットが取り組んだ活動を紹介します。
ほっとかへんネットが設立されたのは、各法人の施設・事業所が手探りで感染症予防に追われていた時期でした。地域に目を転ずると、福祉活動も見合わせになり、つながりの希薄化や高齢者の閉じこもりが懸念されていました。
この状況の中、ほっとかへんネットとして何ができるかを検討していた頃、福祉委員やボランティアも、力を合わせてできることはないかと活動を模索していました。特に当時はマスクが品薄だったため、閉じこもりがちな一人暮らし高齢者に抗菌マスクとケースを作り、見守りを兼ねて配布しようと考えましたが、材料費の捻出が課題でした。
これを受け、ほっとかへんネットでは、「高齢者の安心につながれば」という気持ちと、「新たに生まれるボランティア活動を後押ししよう」という思いで全法人が一致し、約18万円の費用を分担して拠出しました。
オリジナルの抗菌マスクの製作数は約900枚。延べ200名を超えるボランティアが布の裁断・裁縫などの工程に関わりました。町のボランティア協会の田端会長は、「マスクづくりは、普段の活動分野を超えてボランティア同士が新たにつながる、力合わせの場です」と話します。ほっとかへんネットはケースのデザインを検討し、地域の高齢者に思いを寄せて「大切なあなたへ」というメッセージも盛り込みました。
完成したマスクとケースは、福祉委員から手渡しで一人暮らし高齢者に届けられ、感謝の言葉も寄せられました。同時に、福祉委員にも活用され、戸別訪問や見守り活動に役立てられました。
ほっとかへんネットの事務局を担う町社協の竹内事務局長は、「コロナ禍では高齢者の孤立防止に目を向けつつ、活動者への支援も大切。その双方にほっとかへんネットは貢献できた」と第一弾となった活動を振り返ります。
今年度もマスク製作に協力しているほか、次の活動として災害時の取り組みなども検討する予定です。ほっとかへんネットが有する資源を活用した取り組みがさらに期待されます。
事務局:
社会福祉法人
上郡町社会福祉協議会
TEL:
0791−52−2910(代)