セルフヘルプグループのリアル−脳卒中友の会

 県内に拠点を置いて活動する自助グループを紹介します

脳卒中友の会

 「脳卒中」とは脳梗塞・脳出血・くも膜下出血といった、脳の血管が詰まったり破れたりすることに起因する病気をいいます。合併症や後遺症による影響が大きく、生活のしづらさにつながることもあります。
 脳卒中の当事者どうしがつながり、経験や想いを分かち合う場として「脳卒中友の会」が三田市に誕生しました。発起人である茂木寿枝さんと、グループの皆さんにお話を伺いました。

当事者だからこその“無条件”の理解と共感
手作りのチラシが完成!新たなつながりを願って

Q1.
 グループの立ち上げのきっかけは

A.
 3年ほど前に脳卒中で突然倒れ、失語症と右半身の麻痺が残りました。仕事も趣味も続けられなくなり、長い間1人で泣き続けました。苦しみを共有できる仲間がほしいと思い当事者のグループを探しましたが、市内では見つかりませんでした。でも、脳卒中は身近な病気ですから、自分と同じような人がきっと他にもいるはずだと思っていました。
 そのような中、大阪のグループに所属する脳卒中当事者と出会いました。「ないなら作りなはれ!」という激励の言葉に背中を押され、1人でもやってみようと決意しました。昨年11月頃から三田市社協のサポートを受け、グループ立ち上げに向けて動き始めました。誰も集まってこなければ、今は必要とされていないということ。そのときはやめればいいと、気楽な気持ちで今年1月に活動を開始したところ、リハビリの病院での紹介を中心に、三田市内外から参加がありました。

Q2.
 現在の活動とグループの魅力は

A.
 現在は月1回集まり、色々な話をしています。脳卒中を経験した者どうし、後遺症での苦労も分かち合いますが、最近の嬉しかった出来事や趣味のことなど、“いいこと”も話し合います。日常のささやかな幸せを大切にしたいからです。つらい思いを抱え、何もないと思っていても、意識してみると案外あるものです。
 また、たまに会うからこそ「言葉がスラスラと出るようになってる」といったお互いの変化がよく分かります。少しずつでも回復していることが実感でき、励みになります。調子が悪いときに1人でいると、余計に悪くなるようにさえ思います。「寂しいな」と感じるとき、話ができる仲間がいると救われるのです。みんなが、「楽しい」と思ってまた気軽に集まってくる、そんな場になっていることが嬉しいです。
 正直に言えば、脳卒中になる前の自分に戻りたい。それはずっと変わらない気持ちですが、“障害がある自分”を受け入れる感覚も分かってきました。同じ悩みを分かち合うだけでなく、自分は経験していない症状や障害のつらさを知ることで、「みんな色々あるんだな」と思うのです。
 何気ない会話の中から、楽しみや目標を見いだせることもあり、「ここへ来ると前向きな気持ちになれる」というのが最大の魅力です。まだ、必要とする人に情報が行き届いていないとも感じます。もっと輪を広げていけるよう、できることを模索していきたいです。

グループの概要

名 称
脳卒中友の会
活動日
毎月第3土曜日13:30~15:30
活動場所
三田駅前1番館(キッピーモール)6階
プレラ西宮内男女共同参画センター
E-mail
smilenousocchu@gmail.com
電 話
079-564-0410
(三田市ボランティア活動センター)

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