キラリ★社会福祉法人 – 加東市社会福祉法人連絡協議会(ほっとかへんネットかとう)

暮らしを支える地域公益活動を紹介します。

被災想定しみんなで考える図上訓練

社会福祉法人による災害支援体制の整備

 平成30年4月に設立された「加東市社会福祉法人連絡協議会(以下、ほっとかへんネット)」は、市内の16法人が参画して活動しています。今回は、法人同士の相互応援の仕組みや合同防災訓練の取り組みを紹介します。

お互い様の相互応援協定の締結

 ほっとかへんネットが設立された平成30年度は、高齢者施設の被災が大きく報道された西日本豪雨が発生した年でもあり、各法人は、大規模災害への備えについて高い関心を持っていました。このため、災害対応をテーマにした職員研修を継続的に実施することとしました。
 令和元年度の研修は単に災害対応を学ぶだけのものではなく、共通の様式を用いた防災マニュアルの策定を目指しました。これはより詳細なマニュアルを必要としたからです。またその過程で職員同士が顔馴染みとなっていくことも意識しました。
 令和2年度には、さらなる法人間の連携強化を目指し、「KZ総合防災企画」の黒田和伸氏をアドバイザーに、各法人の防災マニュアルの改訂と災害時相互応援協定を締結しました。
 同協定では、①応援内容、②応援体制や応援の優先順位、③応援にかかる費用、④依頼様式などが明確にされています。法人同士が直接依頼と受け入れを行い、お互いさまの考えにのっとっているのが特徴です。

防災マニュアルに基づき合同防災訓練の実施

 令和3年度も引き続き黒田氏にアドバイザーをお願いし、災害時相互応援協定を踏まえた、BCP(事業継続計画)策定を協働で取り組みました。黒田氏と法人職員が、各施設の周辺環境や避難経路などを一緒に確認し、実態に即したBCPの策定に至りました。
 また、福祉施設は福祉避難所に指定されていることが多いため、研修会では市の防災、そして福祉担当部局との意見交換を行うことで、市の防災計画との連動性を意識できました。
 令和4年度にはBCPで必要とされている防災訓練を市にも協力してもらい各施設と合同で行いました。
 令和4年7月、加東市で震度6弱の地震が発生したという想定で行われた訓練は、当日まで開封してはいけない指示で被災状況が記された封筒が配布されました。
 訓練開始とともに封筒を開封したところ、通行できない道路の設定や避難を希望する近隣住民の受け入れの対応など、本番さながらの想定で、職員は防災マニュアルに基づいて動きました。市には災害対策本部役を担ってもらい、各施設から状況などの情報収集を行いました。
 参加した法人職員は「事前に研修会で学んでいたが、実際やってみると電話がつながらないなど思うようにいかなかった。通信手段や備蓄、電源の確保など、あらためて見直しする良い機会となった」と話されます。
 今後も定期的な防災訓練を通して、地域の防災拠点となる、ほっとかへんネットかとうの取り組みが期待されます。

園児も参加した合同防災訓練の様子

ほっとかへんネットかとう

事務局:加東市社会福祉協議会

TEL:0795−42−2006

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