あなたのまちの福祉活動 – 西脇市社会福祉協議会

共生のまちづくりに向けて市町社協が関わるさまざまな福祉活動を紹介します。

住民の立場からの啓発活動で、地域の医療への関心を高める

 西脇市で活動をしている「地域医療を支える市民の会(以下、市民の会)」は、住民の健康や地域医療などへの課題意識から集まったボランティアにより、身近な地域で医療の啓発活動をすることを目的に平成23年度に立ち上げられました。「命の大切さ」や「正しく医療にかかる」ことをテーマとした市民の会の活動を紹介します。

医療の話題を通じ、多世代の地域住民と交流する

 市民の会は、臨床検査技師や看護師、薬剤師などの専門職を含む8名で構成されており、身近な地域で医療が受け続けられることを目指すとともに、住民の医療知識を高める活動をしています。
 その活動の一環として、命や健康について考えてもらう出前講座を市内8つの認定こども園で行っています。3~5歳の子どもたちに向けた活動のため、当初は子どもたちの集中力が最後まで持たないこともありました。そこで、市民の会は子どもたちが楽しめるような工夫を重ね、読み聞かせではなく、紙芝居を使って子どもたちと会話をしながら、「命の大切さ」や「自分の症状を医師にどう伝えるか」を一緒に考えるようにしました。今では、子どもたちが関心を持ち、積極的に自分の考えを話してくれるほか、親に紙芝居の内容を話すようにもなり、子どもを通して親の医療への関心が高まることも期待されます。
 また、脳梗塞などの病気について正しい知識を伝える講座も実施しています。高齢者20名程度を対象に、公民館や老人会、ふれあいいきいきサロンなどで学習会を行うことで、地域への医療の啓発活動を通して、住民同士のつながりづくりの一翼を担っています。市社協ボランティアコーディネーターの德岡(とくおか)かなえさんは、「地域住民にとって医療は関心の高いテーマ。地域の暮らしについて考える協議の場としても注目しています。今後も、市民の会と密に連携していきたいです」と語ります。

今後の展望と活動のやりがい

 コロナ禍において、回数を減らしつつも市民の会は活動を継続してきました。昨年10月頃からは徐々に活動の機会が増え、コロナ禍以前の月2回の活動に近づいています。今は、命について学ぶかるたの制作を企画し、地域の中学校の美術部に、かるたの絵を描いてもらうことを依頼しています。子どもと高齢者が共にかるたをし、多世代で遊びを交えて医療を学ぶ活動ができればと考えており、地域の交流の場の一つになることが期待されます。
 会長の清水泰明(しみずやすあき)さんは「活動の中で大事にしているのは自分たちで考えることです。それが楽しさにもつながっています」とやりがいを語ってくれました。

子どもたちとの会話を大切にするため、イラストは30分間で6枚のみです
学習会は雑談を交えながら楽しく行っています

西脇市社会福祉協議会
TEL:0795-22-5400
https://nishiwaki-wel.or.jp/

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