2021年7-8月号
暮らしを支える地域公益活動を紹介します。
ニュータウンと農村地域が混在する神戸市西区には、43の社会福祉法人が会員になった「ほっとかへんネットKOBE・西(以下、ほっとかへんネット)」があります。今回は、コロナ禍でも進めた地域公益活動「おかんの缶づめこれ一品!」を紹介します。
昨年度、新型コロナウイルスの影響で地域の給食会の中止が続き、閉じこもりがちな高齢者を心配する声が西区社協に寄せられました。
そんな折、(株)セブンイレブンジャパンから区社協へ「さんまの水煮缶」650個が寄贈されました。これは、同社と市・市社協との協定によるもので、店舗の在庫商品を子ども食堂や困窮者支援などに活用する取り組みです。
ほっとかへんネットでは、地域の給食会にコロナ禍以前に参加していた方への見守りになればと、缶詰を持参した個別訪問を企画。「ただ配るだけではもったいない」と、缶詰を使ったレシピを添えて食の楽しみを演出するアイデアも取り入れました。会員の保育施設などの栄養士に声を掛けると、すぐにレシピが完成。缶詰は民生委員・児童委員の協力で、声掛けをしながら手渡されていきました。
「企業のフードロス対策」「住民同士の見守り」に「社会福祉法人の専門職の力」が加わり、コロナ禍での地域のニーズにマッチし、多くの人に喜ばれる取り組みにつながりました。
ほっとかへんネットがコロナ禍で柔軟に動けた背景にあるのは、普段からのつながりです。以前より会員法人の役員層の会と実務者会の他、研修を通じて法人間のつながりを育んできました。
活動面でも、「子どもの居場所づくり」では、地域の婦人会と企画から一緒になり、夏休みなどに学習支援や食事の場を提供しました。また、交通手段の減少などにより移動に支障をきたす地区の高齢者が給食会に参加できるよう、法人の車両を活用した「移動支援」も行ってきました。
ほっとかへんネットでは、平時から会議や研修で法人同士のつながりをつくり、具体的な活動を通じてつながりを確かなものにしてきました。今後も少しアイデアをプラスすることで、魅力的なコラボレーションと新たな活動の誕生が期待されます。
事務局:
社会福祉法人神戸市西区
社会福祉協議会
TEL:
078−929−0001(代)