セルフヘルプグループのリアル – 男性介護者の会 ぼちぼち野郎

 県内に拠点を置いて活動する自助グループを紹介します。

男性介護者の会 ぼちぼち野郎

 介護のやり場のない思いを吐き出し、ほっとできる場をつくっている男性介護者の会「ぼちぼち野郎」。創立時からのメンバーで、現在は介護OBとして会の活動を支えている代表の北村吉次さんにお話を伺いました。

三田市のコミュニティFMに出演している様子
男性介護者ならではの悩みも話せる定例会の様子

Q1.
 グループの立ち上げやご自身が参加したきっかけは

A.
 平成13年から23年まで、妻と二人で母の介護をしていました。介護の苦労をどこかでぼやきたかったのですが、会社の仲間に介護の話をしても、「大変やなあ」という言葉しか返ってこず、あまり理解してもらえないと感じていました。
 そんな時、三田市社協主催の「男性介護者交流会」のチラシを見つけ、「これだ!」と感じて参加しました。そこで話をすると、同じ悩みを持つ男性介護者から共感やアドバイスまで返ってきて、“1”話せば“10”わかってくれると感じました。交流会は半年ほどで終了となりましたが、交流の場を続けたいという思いから男性介護者の会「ぼちぼち野郎」を立ち上げました。

Q2.
  現在どのような活動に力を入れていますか

A.
 定例会は介護を受けているご家族も一緒に参加できるので、「一人で留守番させるのは心配」という方でも参加できます。毎月第4土曜日に例会を開催するほか、料理教室、介護ファッションショー、講演会などを企画しています。「ぼちぼち野郎」が孤立しないよう、地元の介護者の会「つくしの会」や「男性介護者と支援者の全国ネットワーク」とも連携しています。また、男性がトイレ介助をしたり下着の購入をする際に誤解を受けないように「介護マーク」の普及を市に要望したり、第一火曜日はHONEY FM(82.2MHz)にて「ぼちぼちやろうよ介護の話」に出演するなど、介護についての理解を広げる活動にも力をいれています。

Q3.
  社会に望むことやグループの目標は何ですか

A.
 ぼちぼち野郎のポリシーは、「介護者は孤立してはいけない」「介護者の会も孤立してはいけない」「介護者に笑顔がなければ、介護を受ける人は幸せにならない」です。男性介護者ともっとつながれるように、まずは地域で活動する民生委員児童委員やケアマネジャーなどに活動を知ってもらえればと考えています。「ぼちぼち野郎」に参加して、抱え込んでいる思いを話してもらい、少しでも気持ちが楽になればと思います。「頑張ったらアカンで」「助けてと声をあげていいんやで」と介護者に伝えたいです。一人で悩み困っている介護者がいなくなることを願って、活動を続けていきます。

グループの概要

名称
男性介護者の会 ぼちぼち野郎
定例会開催日
毎月第4土曜日 10時~13時
活動場所
三田市総合福祉保健センター
e-mail
007carpentier25@nike.eonet.ne.jp

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