セルフヘルプグループのリアル – ふたつばクローバー(きょうだい会)

 県内に拠点を置いて活動する自助グループを紹介します。

ふたつばクローバーの花言葉は
「平和・調和・素敵な出会い」。
素敵な出会いが芽生える場になればと活動しています

ふたつばクローバー(きょうだい会)

 障害のある兄弟姉妹を持つ当事者(きょうだい)が、当事者ならではの思いを分かち合う「きょうだい会」。三木市にきょうだい会「ふたつばクローバー」を立ち上げ、ご自身が「きょうだい」であり、障害を持つ子の親でもある代表の松原育子さんにお話を伺いました。

新しくできた福祉施設について情報交換

社協主催のボランティアフェスタでも活動を紹介しました

グループの概要

名称
ふたつばクローバー(きょうだい会)
定例会開催日
奇数月 第4土曜日 17:00~
開催場所
三木市末広1丁目6-46市民活動センター内
ボランタリー活動プラザみき
TEL:0794-83-0090

Q1.
 グループを立ち上げたきっかけは

A.
 私には3人の子どもがおり、長女は発達障害、長男は自閉症です。また、私の兄も知的障害があり、両親が亡くなった後、兄が一人で生活できるよう私が障害者手帳の申請などを行いました。すると、当時まだ幼稚園生だった次男が、「僕も大きくなったら、お兄ちゃんのお世話をしないといけないの?」と不安げに尋ねてきたのです。私は、「あなたの人生だから、お兄ちゃんのために生きていく必要はないよ」と伝えました。
 その後、次男と神戸のきょうだい会に参加した際、学校で境遇を打ち明けられないことや、親しい友人を作りづらいという同年代の子たちの悩みに彼は強い共感を覚えたそうです。今は高校生になった次男のためにも、地元に語り合える場をつくれたらと、令和元年に「ふたつばクローバー」を立ち上げました。

Q2.
 現在どのような活動に力を入れていますか

A.
 2ヶ月に1回開く定例会です。参加者が悩みや本音を打ち明け共感し合うことで、普段は張り詰めている心も体も安らげる「頑張らなくていい場所」になるよう心掛けています。抱えている問題が解決しなくても、仲間に話を聴いてもらうだけで気持ちがすっきりし、先輩家族から経験に基づいた「生きた情報」を教えてもらうこともできます。
 きょうだい同士がつながれる場はいまだ少ないのが実情です。ある参加者から「親の立場で話し合う家族会はたくさんあっても、『きょうだい』の立場で話せる場がなかったのでとてもありがたい」と言ってもらえたのはうれしかったです。

Q3.
 社会に望むことやグループの目標は何ですか

A.
 ふたつばクローバーを立ち上げた頃、既に社会人になってきょうだいの立場から少し遠ざかっている人たちから、「中学生の頃にこんな会があれば行ったのに」という声を聞きました。悩みやすい思春期の真っ只中にいる子どもたちにこそ、私たちが扉を開けて待っているというメッセージを届けたいです。
 今はまだ少人数での開催ですが、将来への漠然とした不安を抱える人々が出会い、一人じゃないと思える場所を目指して、定例会をゆるく長く続けることが大切だと思っています。

2022年1-2月号TOP