2023年3-4月号
共生のまちづくりに向けて、市町社協が取り組むさまざまな活動を紹介します。
三田市社協では、新型コロナウイルスなどの影響で困りごとを抱える世帯に、企業などから寄付された食料品を配布したり、お出掛けイベントなどを通じて笑顔を届けるネットワークづくりを進めています。
新型コロナウイルスの影響で地域活動が止まり、休業や失業などで生活に困りごとを抱える世帯が急増しました。そのため、地域と共にできることを始めようと、企業・事業所・個人の方々から寄せられたお米や食品の提供を通じた生活支援を行いました。
当初は物品の支援が中心でしたが、多く寄せられるようになったお米の小分け作業などのため、ボランティア・学生・引きこもりがちな方・企業など多方面に声を掛けました。また、クリスマスの時期にはみんなでサンタに扮して子どものためにお菓子の袋詰めをしました。回数を重ねた今、立場を超えて多くの人が参加し、力を合わせる場になっています。さらに、学生が社協のPR大使“さっちゃん”に仮装して子ども食堂へ食料品を届けることもあり、これは子ども食堂を体感する福祉学習の機会にもなりました。
食料の配布だけではなく「困ったときに相談できる関係を持ち続け、必要な支援につなぐネットワークにしたい」という考えが社協内で共有されました。市社協では、このネットワークを地域住民に知ってもらおうと、企業や事業者、市内全学校へチラシを配布し、公式LINEやクラウドファンディングも活用。社協とのつながりが希薄だった企業にも子どもたちを笑顔にしたいという思いを伝え、活動への共感から物品提供などでネットワークに参加する企業・事業所は、2団体から26団体に増えました。
取り組みを通じて「ひとり親世帯が情報交換できる場が欲しい」「下の子まで塾に行かせるのは経済的にも難しい」などの声が届き、ひとり親世帯の交流の場「ぺあちる」、NPO法人と協力した無償の学習支援などの事業につながりました。また、農園と協働してひとり親世帯をいちご狩りに招待する「いちご狩りプロジェクト」、寄付されたランドセルを入学祝いとして届ける企画など、ネットワークは新たな活動や協力者を生み出しています。活動に携わる市社協の内垣亜紀美(うちがきあきみ)さんは、「助け合いの気持ちや活動がさらに広がれば」と笑顔で語ります。
思いを伝えながら活動することで、共感もネットワークの輪も広がる
「子どもたちに笑顔を」という思いを、地域のさまざまな人・団体と共有したことで、思いは行動に変わり、それが地域の元気につながることを感じました。
三田市社会福祉協議会
TEL: 079-559-5940
https://www.sanda-shakyo.or.jp/