2021年11-12月号
共生のまちづくりに向けて、市町社協が取り組むさまざまな活動を紹介します。
加古川市内の各地域で活動するさまざまな団体が参画し、住民同士の支え合いの仕組みづくりに取り組む「ささえあい協議会」。加古川市社協では、生活支援コーディネーターを中心にその活動を支援しています。今回は、市北部の上荘町と平荘町からなる「両荘(りょうそう)地区ささえあい協議会(以下、協議会)」への支援を紹介します。
平成30年度に設立された協議会では、当初から構成メンバー同士で地域の現状を話し合うとともに、全世帯を対象にニーズ調査を行いました。その結果、「もっと地域に集いの場がほしい」「買い物への移動手段に困っている」という声が聞かれました。
そこで、社協の生活支援コーディネーターの松本雅美さんは、目指す地域の姿や取り組みの方向性を丁寧に確認し合い、地域課題の解決に向けてみんなが納得しながら協議を進める場のコーディネートを心掛けました。話し合いの結果、「自分たちにできること・やりたいことから取り組もう」「移動や生活支援に関する情報をもっと地域に発信しよう」といった意見が出されるようになりました。
具体的な活動として、まずは地区内約30か所の集会所や公民館に「情報コーナー」を設置。移動や生活支援などに関する情報発信を始めました。また、市が大手コンビニエンスストアと包括連携協定を結び実施している移動販売を、両荘地区にも広げるように働きかけて実現。販売日は、買い物に訪れた地域の人たちが触れ合う場になりました。
移動販売で買い物と会話を楽しむ人々
話し合いから生まれる地域活動
そんな中、新型コロナウイルスの影響で、季節行事などの地域活動は自粛や中止を余儀なくされました。松本さんとメンバーは、育んできた“つながり”を途切れさせまいと検討を重ね、介護相談コーナーも備えた地元野菜の販売を企画し、「ふれあいマーケット」として実現させました。地元の中学生が看板作成に協力し、小学生は和太鼓を演奏するなど、これまでのつながりを軸に、幅広い住民と協働した地域資源が生まれました。
松本さんは「風土や住民の歩調を大切にした、側面的なサポートを意識しています。今後も住民と一緒に考えながら支え合いの地域づくりを目指します」と笑顔で語りました。
地域住民の声や思いに共感して寄り添う。
それぞれの力を最大限発揮できるよう働きかけを考える。
みんなが元気になる地域づくりを住民とともに考え、一歩ずつ着実に進むプロセスが、社協活動にとって大切なことだと感じました。
加古川市社会福祉協議会
TEL: 079-424-4318(代)
http://www.kakogawa-shakyo.jp/