2023年1-2月号
共生のまちづくりに向けて、市町社協が取り組むさまざまな活動を紹介します。
南あわじ市社協は、災害救援マニュアルの作成時の「防災について自然と語り合えるまちを住民と共につくりたい」という思いから、平成20年に防災カフェを始めました。「お茶を飲みながら語り合える場」をコンセプトに、住民による地域の語り合いの場づくりを進め、地域の支え合い活動につながることを目指しています。
開始から数年間、防災カフェは年1回市域で行われていましたが、市内でも地域によって防災への意識に差があり、旧町域では各地で独自の活動が広がりました。沿岸部に接して防災意識の高い旧南淡町域では、小学校区や自治会で防災マップづくりに取り組んでいます。 また、防災カフェが10年以上続く旧緑町域では、「災害についての学習会がしたい」という声があがりました。そこで地域の住民代表者などが企画して、県内外の災害時対応をグループワークで振り返るなどの学習会が行われてきました。コロナ禍でも「学びだけは深めよう」という話し合いのもと、感染症対策に配慮しながら学習会が継続されています。
旧三原町域では、例年行われている地域福祉フォーラムにおいて、積極的に防災活動を行う地域がモデルとして発表する機会がありました。これを契機に「自分たちでも防災について考えてみたい」という住民が増え、自分たちの地域で実際に行われている活動、やってみたい活動、地域の気になる住民のことなどを話し合うようになりました。 他の地域でもこうした話し合いが小さなエリアで広まるにつれて、話し合いをもとにした「支え合い(防災)マップ」づくりも広がりを見せています。旧西淡町域では防災マップづくりの研修会が行われ、今年度もマップを更新しています。普段の地域の様子を反映した支え合い(防災)マップは、要援護者の日常的な見守り活動にも役立つほか、生きた個別避難計画につながるとして、市も注目しています。 市社協のコミュニティワーカーである長井陽一(ながいよういち)さんは「日頃の地域での話し合いなくして、防災活動は成り立ちません。これを小地域で取り組む重要性をますます実感しているので、防災をきっかけに住民同士が語り合う機会を増やし、共に支え合うまちづくりにつなげていきたいです」と語ってくれました。
住民が話し合いの場の大切さに気づくきっかけをつくる
防災を切り口とした住民同士での話し合いの場が、日頃の支え合いへ目を向ける機会となり、主体的な活動につながっているのだと気づかされました。
南あわじ市社会福祉協議会
TEL:0799-44-3007
https://minamiawaji-shakyo.or.jp/