2024年9-10月号
県内に拠点を置いて活動する自助グループを紹介します。
オリーブは、食物アレルギーの子どもを育てる親たちが、悩みを分かち合いつつ、自らの経験を社会に発信しています。その活動について、代表の西川さんとメンバーの大鍋さんに伺いました。
Q1.
グループ立ち上げのきっかけは
A.
当初は食物アレルギーの子どもを育てる保護者の小さな集まりとして、悩みを打ち明け合ったり、勉強会を開いていました。
平成25年に会を設立し、月1回のペースで気軽に集えるおしゃべり会をスタートさせました。子どもと安心して外食できるお店や、学校生活のことなどの情報交換をしつつ、手作りイベントで交流を深めるなど、何気ないことかもしれませんがこれらの活動を続けています。
Q2.
現在、どのような活動に力を入れていますか
A.
中心となる活動はおしゃべり会です。子どもの成長につれてメンバーのライフスタイルも変化しましたし、新型コロナをきっかけに、オンラインでもおしゃべり会も実施するようになりました。家事を終えた時間帯からでも開催でき、メンバーも参加しやすくなっています。
また、当事者の声を届ける機会が少ないと感じていましたが、平成30年に県がアレルギー疾患医療連絡協議会を設立する際につながりができ、協議会の構成員になりました。以来、医療・行政・教育関係者と情報交換をしたり、協力も得ながらエピペン(※1)講習会やスキンケア講習会を開催するなど、子どものアレルギー疾患について知ってもらう活動をしています。
※1エピペン:アナフィラキシー(複数の臓器に重篤な症状が現れる)症状の悪化を一時的に抑える自己注射薬
Q3.
社会に望むこと、グループの目標は?
A.
子どものアレルギーに悩む保護者は決して少なくありません。症状によっては命にも関わるため保護者も神経質になりますが、悩みを話せる場、知識を得られる場があれば安心できます。
今後も、「親と子の居場所づくり」「医療関係者による勉強会・座談会」「親の立場から知ってもらう活動・行政との連携」の3本柱を軸に活動を続けます。当事者として悩んでいる方、専門職など活動に関わってくださる方とも私たちの経験を共有しながら、食物アレルギーの子どもたちとその家族への理解が広がることを望んでいます。