2024年9-10月号
“笑顔”と“共生のまちづくり”につながる取り組みをレポート
稲美町の古民家を拠点に、毎週1回駄菓子屋などを開きながら、地域の子どもや親たちが気軽に交流できる場づくりを進める、ゆるり家の取り組みを紹介します。
子育て中の親の中には、「孤育て」とも言われるように、孤独や孤立を感じながら育児に励む人も少なくありません。ゆるり家で代表を務める濱田理恵さんも、結婚を機に移住した稲美町での育児に難しさを感じていました。濱田さんは、わざわざ、神戸市内の子育てサークルまで通い仲間と悩みを分かち合って心の支えにしてきました。この経験から、平成12年、数名のお母さん同士で集まり、稲美町で子育てサークルを始めました。
平成21年には町内で見つけた古民家を借りて「ゆるり家」と名付け、そこを拠点にしてさまざまな活動に取り組んでいます。
ゆるり家で始めた活動が、駄菓子屋「おきらくだがしかし…」です。毎週水曜日、ゆるり家で開くこの駄菓子屋は、放課後の子どもたちが自由に出入りできる場として、小学生や保護者同伴の幼児など、たくさんの子どもたちで賑わいます。子どもたちはお菓子を買ったり、ゲームや学校の宿題をしたりと、思いのまま自由に過ごします。また、月に一度、駄菓子屋のオープンに合わせて町社協の協力も得てフードパントリーも開催しています。立ち寄った子どもたちは食料品を持ち帰ったり、地域から提供されたお米でおにぎりをつくり、みんなで食べることも楽しみになっています。
ゆるり家では、他にも子育てひろばや妊婦サークル、プレーパークなど、親子に向けたイベントも行われています。今年度は、ゆるり家が駄菓子やおもちゃを用意して地域の公会堂へ出張する「おでかけひろば」にも挑戦しています。「地域の中に、子どもたちが自由に出入りできる場所が増えたらと思います。公会堂など、すでにある場所を子どもたちにも開くことで、大人に送ってもらえない子も自分でその場に来ることができます。子どもの育ちを地域全体で見守れたらと思います」と濱田さんが語るように、ゆるり家は地域の子どもたちと子育ての今後を見据えて活動を続けます。
「やりたいことをとにかくやっていこう」と話す濱田さんからは、長年、忙しい中でも楽しみながら活動を続けていることが伝わりました。子どもも大人も楽しく過ごすことができるまちづくりに向けて活動を広げるゆるり家に、今後も注目です。
特定非営利活動法人ゆるり家
場 所:加古郡稲美町国岡2-17-5
ホームページ
https://yururiyainami.jimdofree.com/
インスタグラム
https://www.instagram.com/yururiya173?igsh=MW5zNzltaDJldnV6dw%3D%3D