笑顔輝く共生のまちづくり – 生活協同組合コープこうべ

“笑顔”と“共生のまちづくり”につながる実践をレポート

 協同互助の精神を基に、組合員の暮らしの安定と生活文化の向上を目指す生活協同組合。今号では、「生活協同組合コープこうべ」が取り組む、買い物支援を二つ紹介します。

買い物支援を通して、つながり、助け合う地域づくりへ

「買いもん行こカー」でみんなで買い物へ

 中山間地でも都市部でも、近年、日常の買い物は暮らしの課題の一つです。高齢者や障害を持つ方など、買い物に困っている方がいると聞いたコープデイズ神戸北町のスタッフは、平成28年に無料送迎車「買いもん行こカー」の運行を始めました。
 これは、コープこうべと組合員との間で事前調整をした上で、週1回、決まった曜日・時間に、店舗から自宅に送迎車を出して買い物を支える仕組みです。今では28店で運行され、体が不自由な方や運転免許を返納した方など、年間延べ7万人が利用しています。
 「買いもん行こカー」は、買い物を支えるだけではなく、乗り合わせる人同士が顔なじみになって会話に花を咲かせる“小さなコミュニティ”になっています。

外出し、新鮮な商品を手に。
季節を感じてお買い物

町社協と共に、見守りを兼ねた買い物支援を実現

 神河町では、令和2年にコープこうべ主催の「地域ねっとわーく連絡会※1」を町役場で開催。この際、まちづくりに関わる参加者の間で、町全体の生活課題として「買い物」が挙がりました。
 同じ頃、町社協が運営する障害者多機能型事業所「ひと花」は、通所する利用者が地域とつながって働ける場を広げようと模索していました。
 町社協の働きかけから、コープこうべと「ひと花」で一緒にできることを約1年協議。昨年12月から「週一宅配」という活動を始めました。
 この活動は、コープの配送センターから届く食料品・日用品を、「ひと花」の利用者が注文に応じて仕分け、組合員の自宅に配送する取り組みです。配送時は高齢者の見守りが行える上に、1回200円の利用料は「ひと花」利用者の報酬になります。
 取り組みを進めた、コープこうべ地域連携推進室・陰平康則統括部長が、「買い物困難者の解消や、障害者への理解と働く場を広げる取り組みは、他の地域でも求められています。今後も社協や障害者事業所と協働を進めたいです」と語るように、活動のさらなる広がりが期待されます。

※1) 消費者問題、防犯、福祉などの視点から、まちづくりについて行政や社協も含めた関係者が話し合う場として開催

地域に出て配送する活動は、就労に向けた訓練にもなっています

取材を終えて

 100年の歴史を持ちながら、常に新しい活動を生み出すコープこうべ。店舗などを拠点に、さまざまな関係者が強みと役割を補完し合って進める、助け合いの地域づくりに今後も注目したいです。

生活協同組合コープこうべ

所在地
神戸市東灘区住吉本町1-3-19

神河町社協 障害者多機能型事業所 ひと花

所在地
神崎郡神河町粟賀町630-6

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