2024年5-6月号
暮らしを支える地域公益活動を紹介します。
平成29年に設立された「宝塚市社会福祉法人連絡協議会(以下、ほっとかへんネット宝塚)」は、市内27法人が参画して活動しています。今月は各地区の特性に応じた多様なほっとかへんネットの活動を紹介します。
ほっとかへんネット宝塚の特徴は、法人が種別を超えてつながり、具体的な取り組みを進める「地域生活支援会議」です。この会議は、利用者・住民のニーズに対応した活動を話し合う場で、令和3年度から全7地区で始動しています。多い地区では、企画会議を年9回開き、プロセスをチームで経験することを大切にしています。
第4地区の地域生活支援会議の目標は、「チャンネルづくり」と「教育と福祉と地域の連携」です。約10人の企画メンバーが、暮らしを支える“チャンネル”をつくろうと話し合い、子どもの成長を途切れなく支える教育と福祉の連携体制づくりという目標ができました。
ほっとかへんネット宝塚副代表の金川紀子さん(宝塚ひよこ保育園)は、企画会議を「とまどいもありましたが、社協のファシリテーションもあり、各自のやりたいことが合わさって参加が楽しくなりました」と振り返ります。
令和5年度は小学校を訪問し、教育現場の困りごとを教えてもらいました。それを地域で話し合う地域生活支援会議には校長先生も参加し、企業や団体など地域のさまざまな資源ともつながりました。ここで生まれたつながりから、各施設の利用者とのお花見も実現。子どもも障害者も高齢者もそして職員も、自然に交流する楽しさを実感しました。
各地区の活動を後押しするのが、市域の取り組みです。その一つは、平成28年度から続き、福祉職が住民と協働で暮らしを支える方法を学ぶ「専門職向け地域福祉研修」です。
研修以外にも、最近は孤立しがちな人への支援活動が模索されています。きっかけは、ほっとかへんネット役員による運営委員会でした。「制度のはざまの問題を解決できなければ、会議の意味がない」という安田慶副代表(ウエル清光会)の発言から、委員会に生活困窮者支援機関の職員を招き、まずは役員が現状を学びました。その後、ほっとかへんネット主催の施設長研修で困窮者支援を考える場を設け、「緊急時の宿泊提供」などの具体策が出され、今年度から緊急支援事業も始まります。このような学びと話し合いを通して、市内4保育園では、生活困窮者支援機関と連携し、人との関わりや就労のきっかけにと、子どもたちへの誕生日カード作りや園庭での菜園活動も始まりました。
このようにほっとかへんネット宝塚は、全7地区と市域の両輪で、地域の暮らしを支えています。
事務局:宝塚市社会福祉協議会
TEL:0797-86-5000