2024年5-6月号
共生のまちづくりに向けて市町社協が関わるさまざまな福祉活動を紹介します。
三木市の市民協議会(まちづくり協議会)の1つである「三木南ふれあいプロジェクト」では、コロナ禍で中断していた地域イベント再開の第一歩として、子どもが主役となって企画・運営する「みなみえんにち」を実施しています。子どもが地域の中で活躍し、幅広い世代の人たちをつなぐ取り組みを紹介します。
三木南ふれあいプロジェクトは、住みよいまちを目指して各部会が活動していますが、役員は、コロナ禍で高齢者が孤立し、住民同士のつながりの希薄化に危機感を募らせていました。新型コロナウイルスの5類感染症への移行が見えた令和5年の春、地域活動の再開に向けて協議したところ、「子どもたちが主役となって地域の人に楽しんでもらえるイベントをしてみよう」という声が上がり、地域の人の縁を結ぶ「みなみえんにち」が計画されました。
そして7月には、「みなみえんにち」を企画・運営する子どもボランティアを募集。小学2〜6年生の15人が参加し、サポーターとして高校生と地域の大人たち20人も集まりました。
ボランティアとサポーターの顔合わせに始まり、出店するブースを子どもたち自身で考え、チラシや看板・飾りつけの制作とともに役割分担を決め、9月の本番までに5回の話し合いと準備を進めました。子どもたちはその過程で、高校生サポーターや地域の大人、民生委員・児童委員、認知症カフェの運営者などとも交流を深めながら地域を支える人や資源、地域の魅力を学びました。
コロナ禍以降、地域にとって初のイベントとなった「みなみえんにち」は、チラシの全戸配布や高齢者の集い場での口コミもあり、子どもとその親、高齢者など約500人が来場し大盛況となりました。綿菓子やピザの販売、輪投げ、コミュニケーション麻雀など、子どもが運営するブースで幅広い世代が楽しむ中、閉じこもりがちな方や体の不自由な方の参加もあり、久しぶりに顔を合わせて近況を伝え合う姿も見られました。
その後、12月には第二弾の「みなみえんにち」を開催。子どもたちが地域の人や資源の情報を集め、ピアノの先生や大道芸グループ、三木東高校ギター部などと一緒にクリスマスイベントを催すなど、地域の魅力を発見・発信しながら住民が集う機会を創出しました。
部会長の北門俊彦(きたかどとしひこ)さんは、「子どもたちの主体的な取り組みが、地域の賑わいに大きなエネルギーをもたらすと実感しました。今後も子どもたちが三木南地区の活動に関わる機会をつくりたいですね」と話します。「みなみえんにち」の運営を経験した子どもたちからも、引き続き活動したいという声が寄せられています。子どもを中心に地域のつながりづくりを進める取り組みに、今後も注目です。
三木市社会福祉協議会
TEL: 0794-85-4043
https://www.miki.or.jp/