2024年5-6月号
県内に拠点を置いて活動する自助グループを紹介します
ルーチェ・ゆかいな仲間たちは、ハンディキャップのある子どもを育てる家族の交流サロンなどを開催するグループです。代表の藤井伊津子さん、副代表の大西みち子さん、メンバーの田村裕子さん、森永和美さん、藤原美香さんに、活動について伺いました。
Q1.
グループが立ち上がったきっかけは
A.
私たち(代表の藤井さんと副代表の大西さん)が、県主催の「ひきこもりサポーター育成研修」で出会い、意気投合したことが始まりです。以降、人と人とがつながり元気になれる居場所をつくろうと話し合い、色々な家族が気軽に集まれるサロンとして、令和3年にグループが発足しました。 会員は、知的障害や発達障害、身体障害がある子どもの家族で世代も幅広く、里親をしている方もいます。当初はコロナ禍で集まることも難しかったですが、最近、本格的に活動できるようになりました。
Q2.
現在、どのような活動に力を入れていますか
A.
まずは、家族同士の交流サロンです。子どものライフステージによって悩みや思いはさまざまですが、気軽に話せてみんなの拠り所となるサロンを目指しています。サロンに加えて、音楽療法やダンス教室、クリスマス会、ピザづくりといったイベントも企画して、子どもたちと一緒に楽しんでいます。 また、情報の共有や学びの場づくりも大切な活動です。例えば、子どもの障害特性を理解してくれる歯医者さんはどこか、進学先はどのように選ぶのかなど、疑問や悩みは尽きませんが、サロンやLINEグループが気軽に相談できる場になっています。会員家族がつながり、知識だけでなく実体験を語り合えるのが私たちの強みです。
Q3.
これからの目標や展望は
A.
何よりも、会員の願いや思いを形にすることです。私たちだけでは実現できないこともありますが、地域の方や企業・団体からの協力を得て、イベントなど活動の幅も広がりました。“望めばできる”という前例をつくり、次の人の希望になりたいです。
また、直面している困りごとを行政に伝えることも重要です。昨年末に開かれた、市長との対談(ふれあいトーク)をきっかけに、市内に目と耳の両方に障害を持つ盲ろう者が複数おられることがわかりました。市が神戸に拠点のある当事者会につないでくれたことから、朝来での交流会が実現しました。当事者の声を届ける大切さをあらためて実感しました。
活動を通じて支えあいの輪が広がれば、住みよいまちになる。それが、私たちが活動する本当の目的だと思っています。合言葉は“これからこれから”。グループが存在する意味を問い続け、一歩ずつ進んでいきたいです。