あなたのまちの福祉活動−多可町社会福祉協議会

 共生のまちづくりに向けて市町社協が関わるさまざまな福祉活動を紹介します。

地域の10年後を見据えて立ち上げた「寺内ささえあう会」

 多可町の寺内区では、地域の高齢者らの困りごとに継続的に対応できるよう話し合いを重ね、住民同士で支え合う組織づくりを進めてきました。区長や民生委員・児童委員(以下、「民生委員」)の経験者らが中心となって発足した「寺内ささえあう会」を紹介します。

話し合いや学習を重ね、支え合いの仕組みをみんなで考える

 150世帯445人が暮らす寺内区では、少子高齢化が進み、一人暮らし高齢者や高齢夫婦の世帯が増加しています。高齢化率32.8%、75歳以上の方が80名を超える中、ゴミ出しや灯油の運搬などの困りごとを抱える人を、民生委員が協力委員とともに支援していましたが、徐々に増える依頼に頭を抱えていました。
 その様子を日頃から見聞きしていた区長や民生委員経験者らが「高齢者が10年後も安心して暮らせるように地域で支え合う仕組みを考えよう」と地域互助活動住民研修会での学びを生かし、令和2年11月に6名で「寺内連絡会」を立ち上げました。一人暮らし高齢者や配慮が必要な方の見守りに関する話し合いを重ねる中で、75歳以上の方を対象に「生活に関するアンケート」を実施したところ、①通院や買い物などの外出、②たんすなどの重い物を持つ作業、③草引きや草刈りなどの支援を期待する声が寄せられました。
 これを受けて、外出支援(移送)と軽作業の支援を活動の柱に据えた組織づくりに本格的に着手し、令和5年4月に「寺内ささえあう会」を発足しました。発足までの2年半のうちに話し合った回数は約30回を数えます。その過程で住民向け研修会や説明会を開催して理解を得たり、ボランティア(協力会員)を募集したりして、身近な地域で支え合う組織として活動をスタートしました。

地域の仲間とともに10年後も支え合う

 寺内ささえあう会は、区内に住む世話役とボランティアの約20名で活動しています。ボランティアは、40代~60代の方で、活動可能な時間帯や曜日、持っている資格や技能を登録しています。
 普段から関わりのある身近な集落での関係の中、これまでに80代の一人暮らしの方に通院時の外出支援を行ったほか、高齢者宅の家屋内の清掃とゴミの搬出、草刈りなどの軽作業を行いました。利用料は気軽に利用してもらえるよう、外出支援は燃料代実費、軽作業は活動時間に応じた対価を設定しています。
 世話役の方々は「困りごとの相談があったときに助け合う仲間が増えて心強い」「10年後には、困りごとを抱える人がもっと増える。その時にみんなでしっかり支え合うことが大切」と将来を見据えます。会の発足まで関わった町社協は、「話し合いや学習の機会を大事にしながら力を合わせる活動は他地区も参考になる」と町内への広がりに期待を寄せていました。

地域の方々へ届ける案内チラシ
地域の「ほっとけない!」を持ち寄り、話し合う

多可町社会福祉協議会
TEL: 0795‒32‒3425
https://www.taka-syakyo.or.jp/

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