あなたのまちの福祉活動−豊岡市社会福祉協議会

 共生のまちづくりに向けて市町社協が関わるさまざまな福祉活動を紹介します。

「みんな 仲良く 未来に向けて」竹野南地区での暮らしを考える

 竹野南地区にあるコミュニティ組織「わいわいみ・な・み」は、高齢化や過疎化、農地の荒廃など同地区が抱える課題をみんなで考え、解決することを目的に活動しています。課題の整理や、その解決に向けた企画の立案・実行に、地域の住民や団体、事業所などが参加する活動の背景には、地域での福祉活動の積み重ねの歴史がありました。

「誰が何をしてくれるのか」ではなく「自分に何ができるのか」

 竹野南地区の住民が少子高齢化、過疎化について考え始めたきっかけの一つは、約30年前の4つの小学校の統合でした。住民が集落の存続に危機意識を持つようになった頃、ボランティアグループ「よつばの会」代表の冨森とも子さんは、「支援を待つのではなく、自分たちでできることは何かないか」と考え、いろいろな人が出会い、楽しく過ごす場所を自分たちでつくろうとサロン活動に取り組みました。時には出張サロンも開催し、地区全体で福祉活動の基盤が築かれていきました。
 そんな中、豊岡市から地域コミュニティの推進という方針が打ち出され、同地区でも平成27年に地域コミュニティ組織の設立準備委員会を設けるなど、区長会はじめ住民が、どんな組織を作るか検討を重ねました。平成28年には「交流広場」を開設し「よつばの会」による喫茶が始まるなど、活動と話し合いを積み重ね、平成29年に「わいわいみ・な・み」が組織化されました。
 また、同時期に開所したコミュニティセンターについては、活動の拠点となることを具体的に意識しながら「どんな活動をしたいか」「そこには何の機能がほしいか」と議論を交わし、市に要望を行いました。

自分たちでつくる、竹野南地区みんなの活動

 地区の住民は、お互いが支え合って暮らしていくために、地域の現状や課題を話し合い、必要なものを手づくりで生み出していきます。住民が生活や活動の中で見つけた気づきが「わいわいみ・な・み」に寄せられると、課題解決に必要なメンバーが集まって企画し実行します。例えば、コミュニティセンターに舞台幕がないことから立ち上がったプロジェクトチームでは、裁縫が得意な女性や経験豊かな高齢者が中心となり舞台幕づくりを行いました。
 活動は多岐にわたり、「交流広場」では、喫茶のほか住民が作った野菜を購入できる「市場」も開催。介護予防の場としての「ささえ愛通所サロン」や見守り訪問を行う「ささえ愛生活支援サービス」の実施や、集落ごとの防災マニュアルづくりなどの取り組みも行われています。
 活動の中では、時には生活上の悩みを相談したり、最近見かけない近所の人の情報を伝えあったり、住民のさまざまな話がでてきます。話を聞いた住民と「わいわいみ・な・み」のスタッフが連携して、気になる人の様子を見に行ったり、時には社協や民生委員・児童委員など関係機関に相談したりしています。
 広がりを見せる活動について、冨森さんは「楽しそうでしょ。地域の取り組みって楽しいことがないとやっていけないんじゃないかな」と住民みんなで活動を続けるための極意を語ってくれました。

ささえ愛通所サロンの利用者も大活躍!
交流広場にはバスの待ち時間に立ち寄る人も

豊岡市社会福祉協議会
TEL: 0796-23-2573
https://www.toyooka-wel.jp

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