あなたのまちの福祉活動−相生市社会福祉協議会

 共生のまちづくりに向けて市町社協が関わるさまざまな福祉活動を紹介します。

地域全体で子どもたちの活動を支える「ふるさと大好きプロジェクト」

 市立相生小学校では「ふるさと大好きプロジェクト」と題してテーマに応じて子どもたちが地域と関わりながら学びを深める学習カリキュラムを実施しています。
 地域の少子高齢化に危機感を覚えた学校の先生が、子どもたちに地域への愛着を深めてほしいと思ったのをきっかけに14年前から始まりました。

気付きをきっかけに広がる活動

 ふるさと大好きプロジェクトでは、学年ごとに町の歴史や環境、福祉などのテーマが設定されます。子どもたちはテーマに合わせて活動内容を一から考えるため、具体的な取り組みは毎年異なる点が特徴です。
 5年生のテーマは「町の防災」です。昨年度は6月に最初の取り組みとして、校区内の防災施設を巡る校区探検を実施しました。高台にある津波の一時退避所に行ってみると、落ち葉が積もって歩きにくく、高齢者にはたどり着くのも難しいことに気付きました。そこで子どもたちは一時退避所の落ち葉拾いを実施しようと考えました。
 また車いすに乗り、街中を移動して発見した避難時の注意ポイントをマップにまとめるなど、防災への学びを深めました。こうして学んだことを高齢者が集まるサロンなどを訪問して発表するとともに、落ち葉拾いへの参加を呼び掛けました。
 12月に実施された落ち葉拾いには、近隣住民など40名以上が参加しました。一時退避所も地域のみんなが避難できる場所になり、子どもたちは地域の役に立てたことを実感する機会となりました。

落ち葉拾いをやりきり笑顔で溢れています

子どもたちがふるさとの中心的存在に!

 落ち葉拾いを終え、子どもたちは自分たちの活動を多くの地域住民に知って欲しいと、活動紹介のチラシを作成。また誰でも参加できる学習会を企画して、クイズ形式で楽しみながら地域全体で防災を考える場を設けました。
 子どもたちからは1年間を振り返る中で「6年生になっても落ち葉拾いを続けたい」との感想があり、みんなで助け合うこと、発災時に周りの人たちを気にかけ守れる行動をすることの大切さなど、今後に生かせる経験を得ました。
 5年生の担任を務めた相生小学校の中川先生は「地域全体が子どもたちの活動を見守ってくれた」と話します。校区探検に使う車いすを準備した市社協、高齢者が集うサロンと学校をつないでくれた地域包括支援センターなど、地域のさまざまな団体の協力でプロジェクトは実現しました。また校外で活動する子どもたちに声を掛けてくれた地域住民も多く、先生は「プロジェクトにより、地域が一つになっていると感じる」と続けます。
 子どもたちが中心となり、地域の一人一人がふるさとへの愛着を更に深められるよう今後の活動にも期待が寄せられます。

活動紹介のチラシは自治会長の協力により町内回覧が実現!

相生市社会福祉協議会
TEL: 0791-23-2666
https://www.shakyo-aioi.jp

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