2025年5-6月号
暮らしを支える地域公益活動を紹介します。
ほっとかへんネット兵庫では、社会福祉法人の職員が自ら手を挙げて参加する 「プロジェクト型」の取り組みを進めています。今月は相談プロジェクトチームによる「福祉なんでも相談会」を紹介します。
ほっとかへんネット兵庫では、立ち上げ当初から、制度の狭間にある住民の困りごとに応えるため、「福祉なんでも相談会」(以下、相談会)を開催してきました。初めは、地域の祭りやイベントに合わせ、年に1~3回開催していましたが、相談者は少なく、まずは相談会を知ってもらうことが課題でした。
そんな中、コロナ禍で相談会の実施自体が難しくなったため、令和3年に相談会のあり方を検討するプロジェクトチームを発足。試行錯誤を重ね、相談会と食品の配布を組み合わせて実施するスタイルが定着しました。今ではほっとかへんネット加入施設が交代で会場を提供し、区内各地で相談会を実施しています。
食料支援と相談会を一体的に実施することで相談者は増加しました。子育て中の親からの相談も増え、日々の生活の苦しさや子育ての悩みなどから、児童館の預かりサービスにつなげた例もあり、相談会は具体的な支援につながる入口になっています。相談によっては対応に悩むこともありますが、多職種がチームで対応することで、職員同士が相互に学ぶ機会になっています。
相談から見えた課題に対応するため、プロジェクトチームでは活動の幅を広げています。その一つが、昨年11月に開いた「ごはんを炊いてみよう」というイベントです。食料品を配るだけでなく、簡単な調理を通じてみんなで食べる喜びを共有しながら、生活スキルを身につけてもらうことがねらいです。
そのほか、相談プロジェクトチームでは、困窮者支援や子育て支援に取り組む他団体が実施する相談会に月1回出向いています。そこでは福祉に関する相談に応じ、他団体と連携して地域の多様なニーズを把握しようとしています。
相談会は、徐々に地域に定着してきましたが、まだ支援につながっていない人もいます。このため、相談会のことを広く知ってもらうための広報や地域の中に気軽に立ち寄って相談できる場を増やすことに、当面、力を入れていこうとしています。
ほっとかへんネット兵庫では、社会福祉法人だけでなく、多様な団体と区を超えた連携を進めて支援の輪を広げようとしています。つながりのない人をつくらないために、地域全体で支え合う取り組みへの機運が高まっています。
事務局:兵庫区社会福祉協議会
TEL:078-511-2111