2025年3-4月号
共生のまちづくりに向けて市町社協が関わるさまざまな福祉活動を紹介します。
伊丹市社協では平成25年度から市内の小学4~6年生を対象とした「こどもボランティアクラブ」を実施しています。今回は、地域との関わりを深めながら取り組んだ子どもたちの活動を紹介します。
子どもたちが夏休み以外にもボランティアに参加できるよう、市社協では「こどもボランティアクラブ」を立ち上げました。
立ち上げ当初は、福祉施設の訪問、街頭募金への参加が主な活動でしたが、地域との関わりを重視しようと、令和5年からは、1日限定で開店し地域住民が憩える“ほっとできるカフェ”に取り組んでいます。1日だけ開かれるカフェですが、準備・実施・振り返りまで全3か月にわたるプログラムで、子どもたちは開店に向けてさまざまな準備に取り組んでいます。
令和6年にボランティアクラブに参加した9人の子どもたちは、イメージを膨らませるため、まずは地域で開かれるサロン活動に参加。ほっとできるカフェづくりのヒントを得ようと、参加する住民や運営ボランティアに話を聞き、安心できる居心地の良さが大切であることを学びます。後日、聞き取ったことを参考に、子どもたちで話し合って準備を進めます。地元の喫茶店からコーヒーの淹れ方や接客を学び、作成したチラシの配布や周知で自治会の協力を得るなど、地域は準備の段階から子どもたちの活動を応援しています。
「地域の人に喜んでもらいたい」との思いで準備を進め、迎えた12月の開店当日、子どもたちはコーヒーやお菓子の準備に接客と係を交代して担当。テーブルからは住民や保護者の笑い声や子どもたちを応援する声が聞かれ、自然と交流が生まれました。
後日の振り返りでは、子どもたちからは「地域の人たちの笑顔をたくさん見た」「サロンの活動をもっと知りたい」などの感想があり、活動を通じて地域への関心も高まったことがうかがえます。カフェの売上金も子どもたちで話し合い、能登半島地震の寄付や協力してくれたサロンへのお礼などに活用しました。
ボランティアクラブでは、子どもたち自身で考えて取り組むことを大事にしており、そこで育まれる自主性はさまざまなボランティア活動につながることが期待されます。生き生きとした姿で地域に元気を与えながら、子どもたちの活動は続きます。
伊丹市社会福祉協議会
TEL: 072-779-8512
https://www.itami-shakyo.or.jp/