笑顔輝く共生のまちづくり−「江川地域づくり協議会」

 “笑顔”と“共生のまちづくり”につながる取り組みをレポート

 岡山県と接する山あいにある佐用町の江川地区。ここでは、高齢化が進む中で住民が自ら「地域デイサービス」を立ち上げ、住民同士が交流し、支え合う活動を進めています。

故郷はみんなでつくる地域デイサービス「えがお」の取り組み

いきいき百歳体操から生まれた、地域の交流の場所

 佐用町江川地区では、「住み慣れた我が家で元気に生き生きと暮らしたい!」という願いから、地域自治組織である江川地域づくり協議会が、地域デイサービス「えがお」を立ち上げて活動しています。介護福祉士などの専門職が入浴や食事介助、機能訓練などを提供する介護保険制度のデイサービスと異なり、地域デイサービスは、地域での助け合いを目指して、住民が自ら運営する定期的な通いの場です。
 元々、地域づくり協議会ではいきいき百歳体操に取り組んでいましたが、参加者からお茶会やゲームなども取り入れてさらに楽しみたいとの声があったことから、地域デイサービス「えがお」として活動の幅を広げ、地域の通いの場・交流の場として定着してきました。
 代表を務める山口美佐江さんは「活動を広げる中、みんなが笑顔になるよう願いを込めて“えがお”と名付けました。ここでは私も含め、お互いにたくさんの元気をもらいます」と話します。
 高齢化で住民同士のつながりが希薄になってきた地域にとっては、毎週水曜日に「えがお」で顔を合わせて話をする時間は貴重です。体操でさわやかに体を動かした後、「最近体調はどう?」「この間の話の続きは?」など、持ち込んだお菓子を片手にお茶を飲んでおしゃべりを楽しめる、地域に欠かせない場になっています。

体操で体を動かし、その後の茶話会もみんなの楽しみです

みんなの力で続ける「えがお」の活動

 また、関係者の見守りや協力も「えがお」の活動を支えています。例えば、事業の発足に向けた協議に参画した、町社協の清水さんは「『みんなが気軽に集い健康を維持する場所が、今の地域に必要だ』という住民の想いの実現に、行政と共にバックアップしただけ」と、地域の住民と話し合いを重ねた当時を振り返ります。
 「いつかは誰もが助けられる側になる。だからみんなで助け合う」という信念が、住民主体の活動の原動力です。「地域の人と集い、会話をすることから次の活動につなげたい」と山口さんが語るように、集う人の声を大切にした「えがお」の取り組みは続きます。

みんなで集まれば、自然とおしゃべりも弾みます

取材を終えて

 「えがお」の活動が、地域のつながりを深めていることが伝わりました。支え合う地域づくりに向けて取り組む他の地域にも、「えがお」の活動は参考になる一つの活動です。

江川地域づくり協議会
事務所:佐用郡佐用町豊福285番地 江川地区文化センター内

地域デイサービス「えがお」の公式YouTube、江川地域づくり協議会のホームページはこちらから

ホームページ
https://www.town.sayo.lg.jp/cms-sypher/www/service/detail.jsp?id=795

YouTube
https://www.youtube.com/watch?v=QFfkkk1BRPc

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