あなたのまちの福祉活動−加西市社会福祉協議会

 共生のまちづくりに向けて市町社協が関わるさまざまな福祉活動を紹介します。

災害への備えから広がる地域づくり

 「災害」をテーマにした取り組みは、多くの住民にとって関心が高く、地域のつながりづくりのきっかけにもなり得ます。今回は、加西市社協での取り組みを紹介します。

みんなの防災意識を高める活動

 加西市社協では、令和3年度から「災害ボランティアセンター設置運営訓練」を実施しており、例年、地域住民、福祉施設の職員や行政等の関係者約100名が参加しています。
 この訓練では市社協が策定した災害ボランティアセンターの設置マニュアルに基づき、それぞれの参加者が、センターの運営スタッフや活動に訪れたボランティア、被災した住民などの役割に分かれて、被災地での一日の活動を体験する方法で行われます。活動をより具体的に体験するため、公民館や福祉施設を被災した場所に見立て、実際にその場所に赴いて、泥かきや土のう作りなどの支援を想定した活動を行っています。
 体験するボランティア活動の中には掃除などの軽微な活動も含めることで、住民などが訓練に参加しやすくなるように工夫もしています。こうしたことで、大人だけでなく中高生も参加するなど参加者も広がりを見せています。さらには住民などが継続して訓練に参加し、防災への関心が高まることで、他のさまざまな地域活動への参加意欲を高めることにもつながっています。

訓練の参加者に活動内容を説明する災害ボランティア加西らかんのスタッフ

※災害ボランティアセンター
災害時に、支援活動を行うボランティアの受け入れ、被災者とのマッチングなどに対応する機関として、一般に被災地の市区町社協に設置されます

「振り返り」もセットにしながら訓練を継続

 訓練は、当日の運営だけでなく、企画・準備段階から地元のNPO法人「災害ボランティア加西らかん」と市社協が協力して実施しています。「らかん」の豊富な災害ボランティアとしての活動経験を生かすことで、訓練はより充実したものになっています。
 この訓練では、特に「振り返り」が重要な時間になっています。訓練当日は、参加者が感想を述べあう時間を設け、訓練を通じて感じたことや気づきを共有するよう働きかけています。また、社協職員にアンケートを実施し、訓練の反省点を洗い出します。こうして見えた課題をもとに社協と「らかん」とで振り返りの機会を設け、年数を経て訓練の充実を図ってきました。
 これらの積み重ねの結果、この訓練は地域のさまざまな人が関わる活動として軌道に乗ってきました。訓練に参加した民生委員・児童委員が「らかん」とともに能登半島地震の被災地へ支援活動に出向くなど、新たな展開も生まれています。
 災害は、多くの住民が関心を寄せるテーマであり、多くの参加や協力が得やすいものです。災害時の支援活動への備えと日々の地域活動の充実を目指して、これからも加西での取り組みは続きます。

中高生も参加しており、「防災への関心がより高まった」などの声も寄せられます

加西市社会福祉協議会
TEL: 0790-42-8888
https://www.kasai-syakyo.com/

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