2024年11-12月号
共生のまちづくりに向けて市町社協が関わるさまざまな福祉活動を紹介します。
5つの集落で構成されている神河町の越知谷(おちだに)地域では、令和5年に越知谷ブロック地域自治協議会(以下、自治協)が立ち上げられました。今回はその取り組みや地域に対する思いを中心に紹介します。
越知谷地域は山あいに位置する自然であふれた地域です。急な坂が多く、高齢化率も50%を超えるこの地域では、病院やスーパーへの移動に車は欠かせませんが、コミュニティバスの運行は1日数本と限られています。そんな地域の中で、町全体では取り組めない地域課題に対応すべく、令和5年4月に自治協は発足しました。
発足に先立ち、困っていることや自治協に取り組んで欲しいことについて、地域住民を対象にアンケート調査実施。集約の結果、三つの部会を立ち上げて、それぞれの課題に取り組んでいます。
そのうち「安心部会」では今年5月より助け合いサービスを開始。部屋の掃除や草刈り、買い物代行など、高齢により自分の力だけでできないちょっとした困りごとを解決すべく、低額の利用料でボランティアが協力しています。
ボランティアは26名が登録しており、大半が60歳以上です。サービス利用は一人暮らし高齢者が多く、リピーターも増えています。安心して暮らせるよう、気兼ねなく助け合える関係性が活動により築かれています。
自治協では安心部会のほか、「安全部会」で空き家を活用した移住体験や地区防災計画の策定を、「交流部会」ではグランドゴルフ大会や先進地の視察による、地域内外の人たちとの交流促進に取り組んでいます。多岐にわたる活動は全て、地域のことを思い、自分たちで考えて生み出しました。
自治協の竹國会長は、立ち上げから1年を振り返り、さまざまな活動を進めて大変だったと話します。しかし、それでも活動を進める原動力となったのは、“自分たちの暮らす地域は自分たちで守りたい”という強い思いです。
高齢化がさらに進む中、今の自治協で取り組む助け合いの活動は、将来自分たちが支援を必要とする時の助けに必ずつながるはずです。今はできているから大丈夫ではなく、これからも越知谷の地域でみんなが安心して暮らせることが自治協の目指すまちづくりであり、活動の根幹となっています。
自分たちの地域を自分たちで守るために、みんなで活動を作り上げ、地域に広げることが今後の目標です。
神河町社会福祉協議会
TEL: 0790-32-2303
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