キラリ★社会福祉法人 – 豊岡市社会福祉法人連絡協議会(ほっとかへんネットとよおか)

 暮らしを支える地域公益活動を紹介します。

職員が考えた福祉クイズに答える子どもたち

福祉施設が身近な存在になる

 「豊岡市社会福祉法人連絡協議会(以下、ほっとかへんネットとよおか)」が、今年の夏休みに小学生を対象に取り組んだ、地域での福祉学習の活動について紹介します。

豊岡に働き手が帰ってこない 福祉人材確保が共通課題

 ほっとかへんネットとよおかは平成30年に設立され、地域内のごみ拾いや、災害時に法人間で貸与できる備品などの情報共有など、各法人が連携し、施設の垣根を越えた取り組みを行ってきました。
 数年間にわたり進めた活動を踏まえ、今後重点的に取り組んでいくことを協議する中、福祉ニーズが高まる反面、「福祉の仕事を目指す若者が少ない」「都会に出た若者が豊岡に戻らない」などの各法人に共通する福祉人材確保の課題が確認されました。
 そのため、令和4年度から約2年をかけて、福祉施設のことやそこで生活している方のことを子どもたちに知ってもらう福祉学習の取り組みについて検討を進め、「家族でGo~!福祉スタンプラリー」と題した企画を今夏に実施することとなりました。

身近にある福祉施設を知ってもらうことから

 教育委員会の協力を得て、市内全小学校の4〜6年生、1,900名にスタンプラリー用紙を配布。親子で夏休み期間中の7月20日~8月5日に3か所の施設を回れば障害者施設で作ったお菓子の詰め合わせをプレゼント、7か所以上で折り畳み自転車などの豪華景品があたる抽選権が得られることとしました。
 また、各施設では訪問してきた参加者に職員が考えた福祉クイズを行ったり、施設を利用されている高齢者らとの交流も行われました。参加した親子からは、「建物は知っていたけど、福祉施設と意識してなかった」「中にどんな人がいるのか初めて知った」など、たくさんの気づきの声が寄せられました。
 時間をかけて構想を練り、また各法人でも念入りに受入準備を整えてきた成果と言えます。

20年後に花咲くと信じて活動を続けたい

 今回の企画では、スタンプラリーという形式をとったことで、教室で話を聞いて学ぶのではなく、子どもたち自身が地域で体験しながら学ぶ機会を作ることができました。
 また子どもだけでなく親も一緒に行動することで、親世代の理解促進にも一役買っています。
 今回の活動について、ほっとかへんネットとよおかの谷渕会長は、「福祉人材確保は喫緊の課題ですが、20年先を見据えて、今できることをやり続ける。今はスタートラインです」と語ります。
 ほっとかへんネットとよおかが地域の将来を見据えて取り組む、福祉学習の今後の展開にも期待が高まります。

施設を訪ねた子どもたちは、高齢者たちとゲームなどで楽しく交流しました

ほっとかへんネットとよおか

事務局:豊岡市社会福祉協議会
TEL:0796‐23‐2573

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