2024年11-12月号
県内に拠点を置いて活動する自助グループを紹介します。
LD(学習障害)や自閉症など発達障害を持つ子どもとその親たちを支援する場として、平成13年から活動している明石LDを考える会(リトル・ドルフィン)。代表の片岡さん、心理カウンセラーとして会を支える川島さんにお話を伺いました。
Q1.
グループを立ち上げたきっかけは
A.
自宅で開いていた学習塾で、「図形が書けない」「人の話を理解しているのに文字が書けない」など、発達がアンバランスな子どもの存在に気づきました。周囲に理解されず自信を失いかけている子どもや親たちを支えられたらとグループを立ち上げ、以来、ボランティアや心理カウンセラーの協力も得て活動しています。
Q2.
現在、どのような活動に力を入れていますか
A.
子どもとの関係性に悩む親が集まって、月1回「座談会」を開催しています。固定のメンバーだけでなく、新規の参加者も随時受け入れています。
座談会では、子どもとの日常のやりとりや学校の対応などについて、率直に悩みや疑問などを打ち明け合っています。参加者同士で語り、分かち合う中で、心理カウンセラーのアドバイスも交えながら、2時間の座談会は毎回あっという間に終わります。
座談会の間、子どもたちは別の部屋でボランティアたちと過ごしています。親子それぞれの居場所に関わりながら、親や子どもの様子や変化を見守り、さりげなく寄り添うようにしています。
Q3.
社会に望むことやグループの目標は
A.
これまで、市内で活動する他の当事者グループと連絡会を立ち上げたり、市民向けフォーラムを実施するなどして、発達障害への理解が進むよう取り組んできました。また、行政と話し合いを重ねたことで、市内の学校への特別支援教育支援員(※)の配置も円滑に実現しました。
発達障害という言葉も以前に比べて認知され、情報も得やすくなりましたが、それでも社会から広く理解されなければ、発達障害を持つ子どもたちの困りごとは、いつまでも置き去りにされてしまうと思います。できないところを探して「障害」とするような社会ではなく、子ども自身のいいところを伸ばしていくような社会にしたいです。私たちのグループがなくなっても困る人がいなくなるぐらい、「社会で子どもを育てる」という認識が広まればと思います。