キラリ★社会福祉法人 – 神戸市北区社会福祉法人連絡協議会(ほっとかへんネットKOBE・北)

 暮らしを支える地域公益活動を紹介します。

法人が持つ専門性を発揮した孤立させないつながりづくり

 平成29年4月に設立された「神戸市北区社会福祉法人連絡協議会(以下、ほっとかへんネット)」は、区内の42法人が参画して活動を進めています。今回はコロナ禍で社会的孤立が深刻化する中、ひとり親家庭に向けた交流会など、孤立を防ぐために協働する活動について紹介します。

いちご狩りでひとり親家庭の交流のきっかけづくり

つどい場や居場所へ参加するための「移動」を支援

 市内で最も面積が広い北区は、都市部ながら移動の問題が生活課題になる地域です。ほっとかへんネットの設立前から、ふれあいのまちづくり協議会と一部の社会福祉法人が協定を結び、法人の車両を活用した移動支援を行っていましたが、ほっとかへんネットの設立後は、多くの法人が移動支援に参加し、活動は区全体に広がりつつあります。
 移動支援と並び力を入れるのは、つどい場への支援です。これは北区社協と連携して、地域のつどい場へほっとかへんネットの法人職員が出向いて、介護予防や子育てなどの得意な分野の講座を行うなど専門性を発揮した支援を行っており、移動支援と連動した送迎も取り入れるなど、多くの人が参加できるよう工夫をしています。

法人の車を活用して、つどい場への移動を支援

ひとり親家庭を孤立させないための交流事業

 令和3年度、新たに取り組んだのが「ひとり親家庭」の交流事業です。コロナ禍で、ひとり親家庭が、生活困窮に陥ったり、就労・子育てに追われ地域で孤立することが心配されています。
 そこで、ほっとかへんネットの加入法人が協働して、北区社協企画の「春休み親子収穫体験&交流会」と題した、いちご狩りツアーとコラボ。当日は7組18人の親子の参加がありました。
 子どもたちは、保育園の保育士と一緒にゲームを楽しみ、親がゆっくり交流できる空間を提供。児童養護施設の職員が講師・進行役となり親同士の情報交換を進めました。講師からは「親が楽しくしていないと子どもに連鎖する。悩みは抱え込まず相談して」とアドバイス。
 参加者からは「頼れる親類も居ないので、普段子どもにしてあげられない事を手助けしてもらい、うれしかった」「悩みに共感してもらえて頑張る勇気がわいた」と満足そうな声が聞かれました。
 ひとり親家庭を取り巻く課題の他、地域には、ひきこもりや不登校など社会的孤立と隣り合わせの課題があります。これらを見据え、誰も地域で孤立させないためのほっとかへんネットの活動の今後に期待が寄せられています。

「ひとり親家庭」の交流事業では、子どもたちが保育士とゲームを楽しむ間、児童養護施設の職員が親同士の情報交換をサポート

ほっとかへんネットKOBE・北

事務局:
社会福祉法人
神戸市北区社会福祉協議会

TEL
078−593−1111(代)

記事にある活動のほか、地域住民向けのほっとかへんネットの「リーフレット」の作成や「オンラインを活用した世代間交流活動」などにも取り組み、コロナ禍でも活動を進めています。
ホームページもぜひご覧ください。
http://kita-shakyo.or.jp/cms/hottokahennet/

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