2025年1-2月号
11月27日、兵庫県社協社会福祉政策委員会は、社会福祉法人や社協、福祉関係団体の役職員76名の参加を得て、「令和6年度社会福祉情勢セミナー」を開催しました。
今回は、地域福祉計画の策定や包括的な支援体制づくりが進む「地域福祉の政策化」の時代に、社会福祉法人や社協など福祉関係者に求められる連携・協働による地域づくりを考えることをテーマに開催しました。
講師には武庫川女子大学心理・社会福祉学部教授の松端克文氏を迎え、「地域福祉の政策化の時代における社会福祉法人・社協の役割」と題する講演をいただきました。講演では、社会福祉法に位置付けられた包括的な支援体制の整備の「地域づくり」において、専門職による支援に加え、住民参加による困りごとを抱える人への支援にも頼る構造になっているものの、人口減少や単身化等の進行を背景に、地域社会のあり様が変容していることを考慮する必要があるとの指摘がされました。また、さまざまな政策や事業が実施される一方、実際の生活課題にどれだけ対応できているのか、その効果に着目する必要があるという課題提起がされました。
今後、地域福祉を進める上では、個々の関心事でつながる機会づくりや、多様な住民が共存できる地域づくりを目指す必要があり、まずは身近な地域で集い、交流し、話し合う場づくりを、専門職が積極的に関与しながら各地域で進めていく重要性が強調されました。
今回のセミナーで得た気づきを生かし、県社協では本委員会の会員と共に政策提言の充実に向けた取り組みを継続していきます。
12月17日、県社協では、福祉人材の確保や法人のPRに向けて、若者に普及しているインスタグラムやTiktokなどのSNSの活用について学ぶ、「福祉人材確保・定着力向上研修」を開催。県内の社会福祉法人等の人事・採用担当者105名が参加しました。
冒頭、介護福祉士の養成校である姫路福祉保育専門学校介護福祉学科長の鳥羽氏からは、学生の就職活動の傾向について、「人間関係の良さを重視し、実習などで雰囲気を知ってから応募することが多い」と、職員間連携やコミュニケーションを重視している実情をお話いただきました。
続く講義では、「SNS・ショート動画の活用術」と題し、SNS運用やコンテンツ作成を行うセントラルビレッジ合同会社の田中氏とインフルエンサーの“はてにゃん”こと星野氏が登壇し、各SNSの特徴の比較やターゲットに合わせた使い分けの工夫など、実体験をもとに紹介いただきました。SNSを採用活動に活用する際、法人のアカウントをまず知ってもらい潜在層にアプローチし、次に興味を持った方に仕事先として意識いただく情報を伝えるという段階的な戦略の必要性が強調されました。
研修の最後には、参加者間の情報交換を実施。「利用者を映す場合の同意書の扱い」「組織内のルール作り」などより良いSNS運用に向けた意見が飛び交いました。
県社協では、今後も各法人の人材確保を支えるため、情報発信や採用担当者間の交流もできる研修を開催していきます。
1月11日、神戸市のホテルにおいて、「令和7年新年福祉のつどい」が開催され、市町社協、社会福祉施設、民生委員・児童委員、関係団体などの福祉関係者約230名が一堂に会しました。
主催者である入江武信県社協会長からの開会挨拶に続いて、来賓を代表して齋藤元彦県知事、浜田知昭県議会議長の両名からの挨拶があり、誰もが安全安心に暮らせる兵庫づくりや共生社会の実現に向けたメッセージが寄せられました。
つどいの参加者は歓談をしながら交流を深め、新年にあたって相互の連携や協働を図り、共に地域福祉の推進を誓い合う機会となりました。
県社協では、寄付や寄贈を、地域福祉の向上に役立てています。今号では、令和6年11月以降に善意をお寄せいただいた企業・団体をご紹介します。
温かな善意に対し、感謝申し上げます。
■いなみ野祭実行委員会様より県社協へ浄財の寄付
■一般財団法人近畿陸運協会様より県社協へ浄財の寄付
■一般社団法人生命保険協会兵庫県協会様より県内市町社協へ福祉巡回車、車いすの寄贈
■株式会社ツルハホールディングス様、クラシエ株式会社様より県内市町社協へ車いすの寄贈
■一般社団法人日本自動車販売協会連合会兵庫県支部中古車フェア様より県社協へ浄財の寄付
■関西遊技機商業協同組合様より県内市町社協へ車いすの寄贈
福祉人材センターでは、「福祉の就職総合フェア」を、3月15日に神戸国際展示場2号館で開催します。
100を超える法人が出展の福祉施設・事業所ブースで面談ができるほか、福祉職場への就職・資格にかかる相談コーナー、介護ロボット体験コーナーを設置します。また、併設イベントとして「学生と福祉現場の若手職員との交流イベント」を実施します。
詳細は福祉の就職総合フェアの特設サイトをご覧ください。