ひょうごの福祉NOW

「共生のまちづくり」に向けた取り組みを共に進めよう

 「県社協2025年計画」に掲げた共生のまちづくりの実現に向けたイベントとして、県社協は11月29日、神戸市産業振興センターで「共生のまちづくり」推進フォーラムを開催しました。
 まず記念講演では、俳優としての活躍はもちろん、長年のボランテイア活動と、障害や生きづらさを抱える人たちの創作・表現活動をサポートする一般社団法人 Get in touchの代表として知られる、東ちづるさんに「誰も排除しない『まぜこぜの社会』を目指して」のテーマで講演いただきました。
 東さんは、骨髄バンクのボランティア活動や、Get in touchの設立につながった東日大震災の避難所で見えてきたマイノリティの人たちの生きづらさを紹介。
 「浅く 広く ゆるく つながる」をキーワードに、マイノリティとされる人やさまざまな障害、生きづらさを抱える人たちが共に生きられる社会を「まぜこぜの社会」とし、一人一人が自由でありながら助け合える社会の姿と、その実現に向けて取り組む、音楽、映像、アートなどの表現活動についてお話を頂きました。
 豊富なボランティア経験と、活気あふれる映像を交えた講演は参加者を引き付け、エンターテインメントを通じて「まぜこぜ」の居心地の良さを発信し続ける東さんの活動から、参加者が多くの気づきを得ながら記念講演は終了しました。

「まぜこぜの社会」を目指して、「浅く、広く、ゆるくつながろう」と話す東さん

 フォーラム後半のパネルディスカッションでは、猪名寺自治会会長・内田大造さん(尼崎市)、社会福祉法人ゆたか会理事長・蓬莱和裕さん(加西市)、養父市社会福祉協議会地域福祉課長・小畑美鈴さんに登壇いただき、実践報告をいただきました。
 内田さんからは、最寄りの駅にエレベーターを設置する運動をきっかけに自治会が活性化した経緯、高齢者の生活支援ボランティア「支え合いの会」の設立などについて報告され、蓬莱さんからは、法人の理事長の立場から地域に根差した施設運営や農福連携の実践、市内の社会福祉法人が連携した地域活動について紹介いただきました。
 また、小畑さんからは、社協が長年取り組んできた「福祉委員」「福祉連絡会」に代表される、暮らしの身近なエリアでの話し合いの場の設置と、住民発で生まれた支え合い活動などを紹介いただきました。
 3名からの報告を受け、武庫川女子大学・松端克文教授に進行いただいたデイスカッションでは、地域への「愛着や誇り」という何物にも代えがたい財産を共有すること。そして、課題やニーズに向き合い、話し合いや活動のプロセスを共に楽しむことで取り組みの輪を広げられるという視点を共有し合あって、フォーラムを閉会しました。

登壇者からは、地域への愛着に根差した支え合いの取り組みが発表されました

 記念講演でお話いただいた、東ちづるさんが代表をつとめる、一般社団法人Get in touch の活動については、ぜひこちらもご覧ください!

社会福祉の充実・発展に貢献した方の功績をたたえて

 11月12日、南あわじ市文化体育館にて、県、県社協、南あわじ市、南あわじ市社協の共催で第69回兵庫県社会福祉大会が開催され約500名が参加しました。
 社会福祉大会は、社会福祉の充実や発展に功績のあった方々に県知事及び県社協会長が表彰を行い、かつ、記念講演などを交え、時々の社会福祉を巡る情勢や地域でのつながりや支え合いについて考える場として昭和26年から続いてきました。昨年度はコロナ禍で中止(表彰式のみ実施)となりましたが、今回は2年ぶりの開催が実現。被表彰者を中心に集った関係者が互いをたたえ、気持ちを新たにする場ともなりました。
 大会の第1部である表彰式典では、880の個人・団体が表彰され、県知事、県社協会長より代表者に表彰状が贈呈されました。
 第2部では、看護師として活躍するかたわら、北京・ロンドンパラリンピックに競泳日本代表として出場し、義手バイオリニストとしても知られる伊藤真波さんを招き、「あきらめない心」と題した記念講演が行われました。
 多くの葛藤を乗り越えて挑戦を続けてきた経験談に多くの参加者が引き込まれた後、伊藤さんはバイオリンの演奏を披露。美しい音色の余韻に包まれて大会は閉幕しました。

齋藤知事より長年の功績をたたえて
講演の最後、バイオリンの演奏を披露する伊藤さん

寄付・寄贈のお礼

 今号では、昨年の11月以降に温かな善意をお寄せいただいた企業・団体をまとめて紹介します。

  • 一般財団法人近畿陸運協会様並びに株式会社キリック様より、県社協へ寄付
  • 一般社団法人生命保険協会兵庫県協会様より、県内市町社協に福祉巡回車と車いすの寄贈
  • 関西遊技機商業協同組合様より、県内市町社協に車いすの寄贈
  • 一般社団法人兵庫県宅地建物取引業協会様より、県社協へ寄付

 温かな善意に対し、ここに感謝申し上げます。

お知らせ

 公益財団法人木口財団では、2月1日から障害者等を支援するボランティア活動を支える「地域福祉振興助成」の公募を始めます。
 詳細は、木口財団のホームページをご覧ください

https://kiguchi.or.jp/

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