あなたのまちの社協活動 – 洲本市社会福祉協議会

 共生のまちづくりに向けて、市町社協が取り組むさまざまな活動を紹介します。

ひきこもりなどの悩みを抱える家族の声に寄り添う

 洲本市社協が特に力を入れている活動の一つが、さまざまな悩みを抱えた当事者会やその家族会のサポートです。今回は、ひきこもりなどの悩みを抱える家族の会「ハチドリの会」への支援について紹介します。

取り組みのきっかけは“一人のつぶやき”

 市社協が「ハチドリの会」の立ち上げに関わったきっかけは、平成28年に主催したボランティア講座への参加者が漏らした「実は、私の息子はひきこもりがち。同じ悩みを抱える人で集える場があれば」というつぶやきでした。市社協の東(ひがし)佑樹さんがこの声を社協内で共有すると、市内には同じ悩みを抱える家族が少なくないことが分かり、社協として集いの場づくりに向けて動き出しました。
 まずは、ひきこもりに悩む家族と一緒に、精神科医や保健師などの専門家とも情報を共有。家族の会の設立後を見据え、活動の工夫や周知方法などについて助言や協力を得ました。そして、家族同士が話し合いを重ねるにつれて、自らの力で会を立ち上げる機運も高まり、平成30年に「家族の会」が結成されました。

活動を言葉にのせて ~社会の理解を促すために~

 その後、あらためて自分たちでグループ名を付けようと話し合った結果、会の名称が「ハチドリの会」に決まりました。これには「小さなハチドリが運ぶ一滴(ひとしずく)のような活動でも社会に役立ちたい」という思いが込められており、自ら名前を決めたことで会員同士の絆も強まり、活動を継続する上で大切な出来事となりました。
 さらに、「ひきこもりへの社会の理解を得たい」という思いを受け、これを形にしようと社協も協力し、今年7月に冊子「家族の声(きもち)」を発行しました。冊子にはひきこもりの実際や家族としての後悔、親として子どもの力を信じて応援したいといった、葛藤の中で前を向く家族の言葉がつまっています。
 東さんは「これまでの活動に加えて、冊子をつくる過程でみんなが次第に前向きになりました。今後も社協として活動を支え、ひきこもりへの理解を広げられたら」とハチドリの会との歩みとこれからを語りました。

※ハチドリの会に関連する 「わかくさカフェ」の活動写真を掲載しています

ハチドリの会が発刊した「家族の声(きもち)」。
綴られた素直な言葉が、読む人の心に響きます
わかくさカフェでの活動
〜大きな麻雀で楽しんでいます〜

活動のポイント

つぶやきには“支え合いの力”につながるヒントが隠れている。
ひとつひとつの声を温め、地域の仕組みに育てる。

取材を終えて

 市社協では、家族の会に加え、写真にあるような、ひきこもりがちな本人が集える場「わかくさカフェ」も支援しています。コロナウイルスの影響で、各地で地域活動が自粛を余儀なくされる今、当事者やその家族同士の話し合いを支える社協の取り組みが大切だと感じました。

洲本市社会福祉協議会
TEL: 0799-26-0022
https://sumoto-wel.or.jp/

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