笑顔輝く共生のまちづくり−「NPO法人 にしのみや次世代育成支援協会(NO BARS(のう ばーず))」

 “笑顔”と“共生のまちづくり”につながる取り組みをレポート

 子どもから大人までさまざまな年代の人をつなぐ場づくりを進めてきた「NPO法人にしのみや次世代育成支援協会(NO BARS(のう ばーず))」では、新たに「お茶の間 ぷちだがしやさん」の活動を始めました。

いつでも 誰でも ふらっと立ち寄れる「お茶の間」のような居場所づくり

障害がある子どもの体験活動から、誰でも参加できる活動の場づくりへ

  「にしのみや次世代育成支援協会」は、特別支援学級の保護者やその支援者の「障害のあるなしに関わらず全ての子どもたちが関わり合いながらさまざまな体験ができる場(野外活動・料理教室など)をつくりたい」「垣根を作らない社会が身近になることを目指し、次の時代を生きる子どもたちにとって大切なことを第一に事業を進めたい」との思いから活動が始まりました。団体の略称「NO BARS(のう ばーず)」には、線引きしない、垣根をつくらないという意味が込められています。
 理事長の泉明子さんは地域活動に関わる中で、同じ地域に住みながら住民同士のつながりがないことを課題に感じていました。その中には障害のある子ども、一人暮らしの高齢者や周りに頼れる人がいない中で子育てをする親などがおり、地域のつながりがコロナ禍でより希薄になったことで危機感が増したことから、貸会議室でさまざまな境遇の住民が交流できる場づくりを進めました。

地域でつながり、見守り、輝き、寄り添う居場所をめざして

 地域での場づくりを始めて2年が経った令和5年、商店街にあった空き店舗を借りて誰でも立ち寄れる「お茶の間 ぷちだがしやさん」を開設しました。
 週3~4回の開設日には、近所の住民、親子連れ、小中学生などが立ち寄り、駄菓子を買ったり、コーヒーを飲んだり、ワークショップに参加したりと思い思いに過ごします。また、市社協や他の関係機関などから紹介され、引きこもりがちだった若者や認知症の高齢者、学校に行きづらさを感じる生徒もやって来ます。その中からワークショップの講師になる人やボランティアとして関わるようになる人もいて、「ぷちだがしやさん」は居場所であるばかりではなく、役割をもち活躍できる場にもなっています。また、昨年度から地区社協のボランティアセンターの機能も持つことになり、月1回の会議では住民と相談機関の専門職が地域で気になる人を見守る方策を話し合っています。
 「生きづらさを感じている人が地域にまだいるのではないか。その人たちにどのように関わり、寄り添えるかを考えています」と泉さんは話します。同じ地域に暮らす幅広い世代の人たちが、このお茶の間で出会いつながる。「ここに行けばありのままの私でいられる」「ここに行けば何とかなる」と感じてもらえる場所を目指して活動を続けます。

ワークショップのひとつ、麻雀を楽しみます
小銭を片手に駄菓子コーナーで

取材を終えて

 ゆっくり、まったり、のんびりとほっと一息つくことができる地域の「お茶の間」は、今後開設時間を広げ、日中は立ち寄れない人達も迎えられる居場所にしようと検討されています。新たな出会いから広がる活動に注目したいです。

NPO法人 にしのみや次世代育成支援協会(NO BARS(のう ばーず))
連絡先
西宮市南昭和町4-10-102
TEL 070-8363-6171
E-mail nishinomiya.nobars@gmail.com

Instagram
https://www.instagram.com/nishinomiya.nobars?igsh=MTVxZzRnNGV3bjR3eA==

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