2026年3-4月号
“笑顔”と“共生のまちづくり”につながる取り組みをレポート
外国人が多く働き、暮らす東灘区を中心に、外国人への生活相談などに取り組んでいる「多文化共生センターひょうご」を紹介します。
阪神・淡路大震災の発災直後、外国人に向けた地震に関する情報が非常に少なかったことから、有志により「外国人地震情報センター」が立ち上げられました。インターネットも普及しておらず情報収集の手段も乏しかった当時、言葉が壁となって仮設住宅への入居方法が理解できず、神社の境内でテント生活を続ける外国人も少なくありませんでした。情報センターでは、これらの人々に通訳を介してコミュニケーションをとり、正しい情報を伝える活動を続けました。
この流れを汲み、震災から5年後の平成12年、多様な主体と共に日本人も外国人も住みやすい多文化共生社会の実現を目指す「多文化共生センターひょうご」が設立されました。現在5名の職員と20名ほどのボランティアが、生活相談に加え日本語学習支援や病院や役所への同行・手続き支援を行うなど、日本で暮らす外国人を支えています。
多文化共生センターひょうごは「言葉の支援だけでなく、気持ちに寄り添うこと」を第一に活動しています。翻訳ツールが発達した現在、言葉の理解という面での障壁はかつてほど高くはありません。しかし、日本の文化やマナーの理解は難しく、依然として悩みを抱えた外国人が窓口に相談に訪れます。各々の困りごとに単なる通訳による説明にとどまらず、思いや悩みを受け止め、「なぜこうするのか」などを丁寧に伝えています。
相談支援に加え、多文化共生センターが力を入れるのが地域での交流です。毎年10月、民族衣装の試着や郷土料理の屋台を出店し、外国人と日本人が分け隔てなく交流するイベント「多文化フェスティバル深江」を開催し、相互の国の文化に触れる機会をつくっています。昨年のフェスティバルでは「それぞれの国の文化」をテーマにトークセッションを行い、日本独自の文化に戸惑ったことを共有し盛り上がりました。
「国や地域によって習慣は違いますが、それに馴染もうと外国人も頑張っています。その努力の手助けになりたいです」と代表の北村広美さんは話します。国籍や文化が違っても互いを尊重し、支え合える地域を目指し、多文化共生センターの活動は進みます。


日本人が海外に行ってその文化を理解するように、在日外国人も日本の文化に馴染もうとしています。その努力を温かく見守り、時に手助けすることで多文化共生の輪が広がっていくのだと思いました
多文化共生センターひょうご
場 所:神戸市東灘区深江南町4-12-20-201
ホームページ
https://www.tabunka-hyogo.org/
Instagram
https://www.instagram.com/tabunka_hyogo?igsh=NmJ1ZjYzZWtlaWt1